好きになるその瞬間を。 感想
映画「好きになるその瞬間を。」を見ました。
12月17日、川崎チネチッタにて。
1作目『ずっと前から好きでした。』既見。
原作はよく知りません。
1作目の登場人物7人のうち、1人だけあぶれた恋雪さんのお話。
かと思いきや。
想定外の結末でした。(盛大なネタバレ)
3行で
- 想定外の結末(ネタバレ)
- 細谷さんの声だとゲスいキャラでも許せてしまいそう
- 前作ではそれぞれに対ができてたけど、今作はそんなにシンプルではなくてけっこう複雑
- オープニング
- 「心が叫びたがってるんだ。」製作委員会
想定外の結末(ネタバレ)
1作目『ずっと前から好きでした。』において不遇な立場だった恋雪さんでしたが、最後に「もしかしたら」と希望の残るエンディングだったわけです。
なので、今回は恋雪さんの救済回になるものと勝手に期待してしまっていました。
予告編も、主題歌CDのパッケージでも、恋雪先輩とヒロインさんの組み合わせが成立するのだろうと予期させるように喧伝されています。
よもやこんなことになろうとは。
いやまあ、中盤ではついつい「爆発してしまえ」と思ってしまうような場面もあったので、必ずしも恋雪さんが不遇なだけの存在ではないことは確かなのですが。
だからといって、なんというかこう、傷口に塩を塗り込むような、空気が読めないだけのお人好しな彼を情け容赦なく世界から排除してしまうというのは、なんだかもう救いが無いように見えてしまいました。
あんなに優しくてお人好しであっても、空気が読めていない、他の人たちの人間関係が把握できていないという点によって、彼は主人公たちの世界を乱す外乱でしかなく、排除されるべき、排除されてもしかたない存在に成り果ててしまったように見えます。
救済される物語を期待していたはずが、なぜか闇堕ちする未来しか見えないという。
この先、彼はチヤホヤしてくれる取り巻きの人たちと空虚な付き合いでズブズブになっていったりするのかしら。
シバケン(CV:細谷さん)の存在が、彼の行く末を暗示しているのかもしれません。
細谷さんの声
細谷さんの声だとゲスいキャラでも許せてしまいそうに思えてきます。
しかも、自分になびかずに的確な指摘をしてくれた前髪パッツンさんに興味を引かれたみたいで、俗にいう「お前おもしろいな」的なテンプレートのようなフラグが立ったように見えなくもないというか。
前髪パッツンさん方面の物語は本作では断片的にしか描かれていないので、あの断片的から想像で補間しなさいということなのか、はたまたそのあたりを中心に据えた第3弾が準備されているのか、気になるところです。
雑誌のモデルをやってるらしい先輩の扱いとか、何にも解決してないですものね。
前作では男4女3という登場人物のうち3組がそれぞれに対ができて落ち着いたわけですが、
今作はそんなにシンプルではなくてけっこう複雑に見えます。
そもそも登場人物が多い。
前作で組が成立した6人は脇役的な立ち位置に引っ込んでいますが存在感が無くなるわけでなくむしろ重要な位置を占めていて、
そこに加えて、今回の中心となる後輩世代がずらりといるわけで。
相関図を作ろうとしたら一方通行の矢印ばかりになってしまうのではないかしら。
オープニング
この映画の予告編自体がMV風というか、主題歌を丸々と流して日常の一部分を切り抜きました、みたいなものだったわけですが、その予告編とまったく同じものがオープニングとして流れまして。
結局あれは、本編中のどの段階の時間軸での出来事だったのやら。
劇中時間で2年くらいの時間幅があって、その中で人間関係もけっこう激変しているはずなので、ああいう午前2時に望遠鏡を担いでいくようなシチュエーションがどう成立したのか、ちょっとばかりぼくの読解力では読みとれていなかったみたいです。
その他の場面でも、歌詞のある歌曲がそれぞれの登場人物の心境を代弁するかのように効果的に使われていました。
『君の名は。』ではすべてRADWIMPSの演奏だったと思いますが、こちらはおそらく当該キャラクター自身が歌うキャラソンのような体裁だったので、よりミュージカルっぽく見えました。
「心が叫びたがってるんだ。」製作委員会
エンディングクレジットに出てきて、どこに出てたんだろう見落としたかな、と思ってましたが、エンディングロールの後で出てきました。
そこで『ここさけ』なのかー、みたいな。
あ、ミュージカルつながりでもあるのか。