シン・ゴジラ 感想
映画「シン・ゴジラ」を観ました。
7月31日、横浜ブルク13にて。
IMAX版。(IMAX初体験。ガチで。)
ゴジラシリーズはいくつか見ているはずですがあまりよく知りません。
率直に、おもしろかったです。
できるだけ事前の情報を仕入れないほうがいいというのもその通り。
知らずに見たほうがより楽しめると思います。
以下、ネタバレというほどでもないですが先入観になってしまうかもしれないので鑑賞済みの方向け。
ネタバレというほどでもないと思いますが念のため。
基本的には諸手を上げて大絶賛ではあります。
その上で、無責任な消費者としての欲張りな要望みたいな。
ゴジラと戦う側の人ばかりだったのがもの足りなく感じました。
逃げ惑う人々も描かれてはいるものの、あくまでも群集っぽい感じというか。
たとえば前田敦子さん(だったはず)のその後を追いかけるような視点もあればよかったのに、というか。
もちろん本編だけでもかなり濃密なので、これ以上は蛇足になるかもしれませんし、視点が分散すると散漫になってしまうかもしれませんけれども。
映画「カリフォルニア・ダウン」で、被災地真っ只中にいた娘と、娘を捜す父親と、二つの視点があったのに、本作では父親側の視点でしかも娘を助けに行かなかった、みたいな構図に見えてしまったのかもしれません。
ゴジラと戦う側の人たちはかっこいいのですが、自分だったら逃げ惑う側になるだろうと思って見ていたのに、自分を投影する対象がいなかったような感覚といいますか。
もちろん自己投影や感情移入をしなくとも物語を楽しむことはできますが、本作は真に迫っているというか、もしホントにこういう未知の災害が起きたらどうするか、ということを考えたくなる作品なわけで、そういう場合に自分はどこにいるだろうかと想像してしまうのは自然なことだと思うのですが、その仮想の自分の立ち位置を設定しにくいように思いました。
あるいは、政府関係者の人たちが避難所に視察に行く程度でもよかったかもしれません。
被災現場を視察に行った場面はありましたが、民衆と接する描写は無かった気がします。
「国」という大きな概念を守ろうとはしていても、具体的なひとりひとりの顔は見えていなかったような。
あるいは、そういう、人ではなく国を守ろうとしているように見えるのもまた制作者の意図なのかもしれませんけれども。
(※8/1追記: このように書きましたが、一般市民の視点を入れてしまうと凡庸になってたかもしれないみたいな言説を見かけて納得しました。やはり素人の浅薄な考えだったようです)