私立ブルジョワ学院女子高等部外部生物語 感想

三島衛里子「私立ブルジョワ学院女子高等部外部生物語」1巻、秋田書店

高校球児ザワさん」の作者さんの新作。

ですが、ザワさん的なのを期待すると少し肩すかしをくうかもしれません。

中高一貫どころか幼〜大一貫っぽいブルジョワ校へ、外部生として高校から参入した五島えり子さんのお話。

桜蘭高校ホスト部」とか「晴れのちシンデレラ」みたいな上流階級に平民が紛れ込むお話の類型にも思えますが、
主人公さんが自意識過剰をこじらせた感じが痛々しい(読んでるこちらの胸に刺さって痛い)です。

時代背景としてはロングスカートのいわゆるスケバン風な昭和的ヤンキーから、ミニスカートにルーズソックスなシブヤ系(?)へと女子学生さんの服装が移行していった頃の雰囲気。

おそらくぼくと同世代か少し下くらい(1970年代末〜1980年代生まれくらい)ではないかしら。

自由化を謳って制服を廃止して私服登校可になる流れがある一方で、何故だか通学カバンがみんな同じようなものに画一化されていったりなんだり。

(ぼくのところではカバンの決まりが無くてボロボロのリュックサックを背負っていたことを思い出すと辛くもなりますが)

男子の服装なんぞは、短ランボンタンみたいなのが廃れて以降はズボンをズリ下げるような見苦しいものくらいしか知りませんが、
女子の人の方は、ルーズソックスが、ルーズの蛇腹状が消失してストーンとしたようななんだかナウシカさんが履いてる靴というか臑当てみたくなったり、いつの間にやら廃れたり、なんだりかんだり移り変わりが激しいようで、よくわかりません。

いわゆるギャルギャルしたような、城ヶ崎美嘉さんみたいなピンク髪まではいかなくとも、大槻唯さんとか藤本里奈さんとか北条加蓮さんみたいな方々がいらっしゃる傍ら、
特別とんがっているわけでもなさそうなフツーの方々の服装意識も向上していって、その概念的な結晶が渋谷凛さんの造形なのではないかしら、とか思ったり。

ぼくは旧い人間なので、2次元ならまだしも、3次元で髪を染めてる人を見ると脊髄反射的にビビってしまうというかアレルギー的な恐怖心を抱いてしまう傾向があって、黒髪を見ると安心します。
渋谷凛さんもゲーム内では少し茶色がかっているようですが、ほとんど黒髪扱いになっている気がします。)

閑話休題

せっかくの花の女子高生活だというのに、きゃっきゃうふふ的な要素はあまり無くて、自意識過剰をこじらせたような一歩引いたところから観察している感じもありつつ、
演劇祭ではふとしたきっかけから一歩を踏み出して、すわ、これから境遇が変わるのかしら、というところで以下続刊。

気になります。


表紙の帯を外したところは、何かで見かけた、(たしか)さいとうたかをさんだかの、顔だけはゴルゴ13みたいな劇画調なのに胴体は小さくて頭身が低くなってるみたいな絵を思い出してみたり。