ジブリの教科書3「となりのトトロ」 感想

スタジオジブリ・文春分庫編「ジブリの教科書3 となりのトトロ」、文春ジブリ文庫

あいかわらず雑多というか幅広い内容です。
主な内容としては、時代背景と、美術について、でしょうか。
懐古ではない、とされつつも、個人の体験と重ね合わせた回顧になってしまうのは当然なのかもしれません。

火垂るの墓」との併映を劇場で観たのだったかどうだか、記憶があいまいです。
いまだに「火垂るの墓」をまともに観ることができないのは、何かしらトラウマ要素があるということでしょう。

ぼくが「となりのトトロ」をそれほど積極的に好きだと言えないのは、対比としての「火垂るの墓」を受け取ることができていないからかもしれません。
あるいは、惚れた女の子が自分の知らないところで大人になっている、というちょっぴりNTR 風味のカンタくん視点に感情移入してしまうからかもしれません。

ともあれ、やはりどこか「怖い」お話を、トトロさんという超越的な存在が安心感に変えているようです。トトロさんがいなかったらと思うと、怖くてたまりません。
トトロさんの安心感については、「ライナスの毛布」と表現されています。
人が成長する過程で一時期依存し、いずれは卒業していく対象。
ぼくはまだライナスの毛布を手放せていないようです。

それにしても、「めいとこねこバス」、観てみたい。
ジブリ美術館に行ってみたいな〜。