屍者の帝国 感想

映画「屍者の帝国」を観ました。(10月2日観賞分)

原作未読。

亡くなった人を更に強制的に労働させるという地獄のような世界のお話。
従来であればロボットなり機械的なものだった労働力に屍者を置き換えるという、なんともグロテスクな感じです。
とはいえ、ノロノロした動きはどことなくコミカルでもあったり。
スペース☆ダンディーのゾンビ回、と言えば伝わりやすいでしょうか。

パンチカードとかタイプライターとか歯車とかレトロな雰囲気も素敵。
いちおう電気も既に普及しているみたいですが、いわゆるスチームパンクみたいな雰囲気もあったりします。
どことなく『天空のエスカフローネ』を思い出したりしてました。
ドルンカーク様の居城もあんな感じだったような朧気な記憶。

円城塔さんについてはスペース☆ダンディーの図書館回と次元回あたりで脚本を書いてらしたくらいの認識で申し訳ないですが、「言葉」を題材にするのがお得意なのかしら、みたく思えます。

本作でも魂の在処と言葉、意思が重要な位置づけです。
正直なところ難しくてたぶん理解できてないです。

主人公のワトソンさんと、ワトソンさんが使役する元友人のフライデーさんが中心人物となるわけですが、
最後、エンドロールでのあの言葉はあの人からあの人への言葉でありながら、
円城塔さんから伊藤計劃さんへの言葉でもあるのかしら、とか思ったりしました。

で、エンドロールのキャストのところで、あれ?、そんな人出ていたかしら?、と疑問を抱きかけましたけど、ちゃんと登場してました。

なんだかよくわからないことになってますけど、一件落着なのでしょう。きっと。

そういえば花澤香菜さんの落ち着いた大人の女性な声ってあまり聞いたことなかったような気がして、(失念してるだけかもですが)、意外だったというか、あまり花澤さんだと気づかない感じだったような気がします。
場面によっては花澤さんっぽい感じだったりもしてましたけど。

ともあれ、あの凶器みたいな胸部装甲はやはり産みの親の趣味なのかしら。