散歩する侵略者 感想

映画「散歩する侵略者」を観ました。
9月9日、川崎チネチッタにて。
原作未読。

・こういうトンチキなお話、好き。

・人間社会に、常識や知識の異なる異質な存在が紛れ込んでかき乱すようなお話。

・どことなく阪本順治監督の「団地」を思い出すような
・吉田大八監督の「美しい星」も同じようなジャンルでしょうか

松田龍平さんのボンヤリしているようなすっとぼけているような、奇妙な雰囲気がすごく楽しくて。
長澤まさみさんとの夫婦関係が絶妙というか
松田龍平さんがああなる前は夫婦関係が崩壊寸前だったみたいですけど、ああなる前の松田龍平さんがどんな感じだったのかあんまり想像できなかったり
長澤まさみさんの足をこちょこちょしたい

高杉真宙さんのヤンチャな感じもいい感じで
長谷川博己さんとのコンビネーションもなんだかいい塩梅
長谷川博己さんは悪態ついたりして態度はあんまりよくないけど、ゴミが散らかってると袋に詰めて片付けたりと根はマメな人っぽい
・理想を抱いてジャーナリズムの世界に入ったものの現実の壁に押しつぶされてたみたいな背景とかありそう
・劇中ではそんなこと微塵も語られてないけど

・JKちゃん強いかわいい
アンジャッシュ児島さんは役得なのでは



・「概念」
・言葉と概念を奪い集める侵略者

・そもそも彼らは「概念」という概念は持っていたということなのかしら
・家族とか自由とか仕事とか「所有格の"の"」なんていうものも漠然としてはいますけど、「概念」という言葉を説明しなさいとかイメージしなさいとか言われたほうがもっと難しそう

前田敦子さんの生意気な妹っぽさみたいなのもよかった
・微妙に馴れ馴れしい感じで
・豹変っぷりも

・「概念」というものは個人の所有物なのかしら
・Aさんの持つ「家族の概念」とBさんの持つ「家族の概念」が同じとは限らない
・というかむしろ、人によってそれぞれ異なるものなのでしょう

・だからこそ終盤の鍵となるあの概念について、東出昌大さんのものと長澤まさみさんのものと、区別されているわけで

・単純に「概念」といっても、その「概念」という括りには幅があって、たとえば「愛」という概念とすると少し大きな括りになってしまうけど、「アガペー」とか「エロス」とかもう少し細かく分類できるかもしれない
・彼ら侵略者が「言葉」ではなく「概念」を奪うのも、辞書的な言葉ではなく、その言葉の奥にあるその人の抱える伝えたい何かにこそ価値を見出しているのかも

・概念を集めてどうするんだという疑問もありますが

・これがロボットものであれば、他人から「概念」を奪うことでそのロボット自身が次第に人間性を獲得していくみたいな筋書きになるのでしょうけれども
・侵略者の人たちがこれから侵略しようとしている相手を知ろうとしているのは何故なのか
・対象の持っている概念の質によって、滅亡させるか存続させるか判別するような、侵略というよりかは裁定者みたいな存在だったりするのかしら