永い言い訳 感想

映画「永い言い訳」を観ました。
10月15日、静岡東宝会館にて。
原作未読。

妻を亡くした男性二人が交流するお話。


3行で

本木雅弘さんかっこいい。あんなに髪がボサボサでもなおかっこいい。

・予告編だともっとギスギスした荒れた内容かと想像してましたけど、どちらかというと子供がかわいい。エンドロールで是枝監督の名前がありましたけど、そんな感じ。

池松壮亮さんはああいう立ち位置が板に付いてる感じ。


以下、本編について。

事故の遺族同士という立場ではありますが、いちおう事故以前からの知り合い(妻同士が一緒に旅行に行くような間柄)ということで、
本木雅弘さんとトラックの運転手さんが仲良くなりつつ。
父親が遠出して家を空けている間、トラックさんの子供兄妹と一緒に留守番することになって。

本木さん深津さん夫妻には子供がいなかったのもあって、子供たちと触れ合ううちに本木さんがほだされていくような心温まるお話なのかと見せかけて。

ただ表面的に和解しておしまいというわけでもなく。

もう少し、人の心の奥深い部分に迫ろうとしているように思えます。

自分の大切な人の死とどのように向き合うか。

一人は携帯電話に残った録音を削除せずに繰り返し聞いて忘れないようにしていたり。

もう一人は、表面上はもう忘れてしまったかのように振る舞って別のことに打ち込みながらも、ふとしたタイミングで感情が暴発してしまったり。

売れっ子の作家でテレビ番組にも出演しているような人と、
トラックの運転手として慎ましやかに生活する人と。

対極というほどには正反対なわけではないものの、やはりどこか対照的に描写されていたように思います。

仕事にかかりきりで子育てを妻任せにしていたためか子供のアレルギー症状についての認識が少なかったり。

子供がいることで生き甲斐になっている部分もある反面、不意に「子供がいなければもう少し楽になれるのではないか」という考えが脳裏をよぎってしまったり。

本木さん側の「自分の意志で子供を作らなかったんだ」というのもどことなく幼稚さとか未熟さを感じさせるような描写になっていたり。

「子供」という存在について面と向かって様々な側面に光を当てていて、その光に投影される図像もまた様々な形となって大人の側に映し出されているかのようです。



ポスターや予告編の深津絵里さんの姿。
事前に想像していたのとは少し違った使われ方でしたが、とても印象的な場面でした。

遺族の側がどうにかこうにかもがき足掻いて生きている姿から、そこには存在しない亡くなった人の姿が浮かび上がってくるようです。


池松壮亮さんが本木雅弘さんに問います。
「奥さんが亡くなってから、しっかり泣きましたか?」

本木雅弘さんが涙を流した場面、あそこでようやく時間が動き出したのかもしれません。