マエストロ! 感想

映画「マエストロ!」を観ました。

原作未読。

プロフェッショナルなオーケストラのお話。

素晴らしかったです。

プロフェッショナルとはいえ、一度は解散の憂き目にあって、主力は別のところへ引き抜かれた残り者の集まりのようで、
寄せ集め感というか、プロ意識はあるもののそれぞれ癖が強い個性なわりに腕前はそこそこみたいなところから、ひとつになっていく感じ。

演者さんも、松坂桃李さん西田敏行さんが目立つほかは、わりかし、主役を張るわけではないけど脇として花を添える方面であちらこちらで見かけるような名役者さんばかりな雰囲気で、そんな方々がオーケストラで楽器を演奏しているという画面だけで、なんだかワクワクと心が踊る気持ちでした。

演奏自体は別収録みたいですけれども。

バラバラだったり、指揮者への反発だったりするところから、次第に打ち解けあって一体になっていき、最終的に演奏会で大成功、という流れは、
ある種のアイドルを題材にする作品群とも通じる部分があるのかもしれません。

開幕前、舞台裏での緊張感とか、舞台袖で見守るプロデューサーさん(たぶん違う)とか。

開演前のお客さんの様子→舞台裏→開幕という流れは、ある程度、定式化しているのかもしれません。
もちろん、その効果はばつぐんです。

楽器の演奏をしながら、さらに内心を表現するような演技までしているというのは、かなりの高等技術なのではないかと想像しますが、その演奏の緊張感と高揚感がすごく伝わってきて、たしかに天籟が聞こえたような気がします。



とはいえ、疑問点がないわけではなくて、
出演料の件はどうなったのか、とか、
一度解散したようなオーケストラな上に演奏会の開催自体があやふやなところからどうやって集客したのか、とか、
説明の足りない部分もありますが、

何より、あのクライマックスは、それでいいの?、という疑念が拭えません。

ちょっとばかり、アレは独りよがりに過ぎやしないかと思ってしまいます。

あの人に対して、楽団員さんたちがもっと思い入れがあるのなら、より感動的なのでしょうけれども、
松坂桃李さんとフルートの人くらいしか劇中では面識なさそうだったので、(映画を観賞しているこちらは知っているものの)、誰?、状態だと思うのですが。

ちょっとばかり納得しかねる部分です。



そんなこんなで、オーボエの人とクラリネットの人の関係が、なんか好き。

濱田マリさんは、画面の中では目立つものの、これといって活躍するような役割は見受けられなかったような気がしますけれども、どうなのかしら。



あ、四月は君の嘘を観てない/読んでないのは、我ながら失態です。