スプリット 感想

映画「スプリット」を観ました。
6月3日、TOHOシネマズ川崎にて。
2D字幕版。

有名な監督さんの最新作らしいのですが、以前の作品をよく知らないです。



俗に言うならハイエースものとでも呼ぶのでしょうか。
ハイティーンくらいの女の子3人が誘拐されてしまうお話。

その誘拐犯の人が、ちょっと珍しい感じの特性を持っていました、みたいな感じ。
DID というらしいです。



ヒロインの人の顔立ちが、「とても綺麗」という表現で適切かわかりませんが、人形みたいというかCGみたいというか、整いすぎていてどこか現実味の無いような神秘的な感じに見えました。

そういえば、ヒロインの人の回想がしばしば挿入されていたのですが、あの回想時制と、現在進行形の時制とが、どこでどう交錯していたのかいまひとつわかりませんでした。
もしかしたらヒロインの人も犯人と同じような性質を持っていたりするのかしらとか想像していたものの、そこまで明確には描写されていなかったような気がします。
もしかしたら、ぼくが見落としていただけかもしれませんけれども。



捕らわれの身となった3人の女の子ですが、他の2人がさてどうやって脱出するべかと相談しようとしているのにヒロインの人は1人だけ応答が悪いし協力する気もないし情報を共有しようともしないし、めんどくさい感じでした。

あんな窮地に陥ってしまったら協力しようとする姿勢は大事なのだなあと思いました。
それがうまくいくか失敗するかはわからないにせよ、被害者の中でいがみ合ってしまっていては助かれるかもしれない好機も逸してしまいそう。

実際、ヒロイン以外の2人はけっこう行動力があって、どうにか脱出しようと試みます。

あれだけの行動力があるのだから、ヒロインさんの冷静な洞察力も共有できていれば、もう少し状況も良くなっていたのではないかと思うのですが。

結果を見てからあれこれとタラレバを言っても仕方ないですが、もしも自分がああいう立場になってしまったら、と想定してみるのは決して悪いことではないだろうと思いたいところです。


誘拐犯の人がかかりつけにしていたお医者さんも登場します。
あのような患者さんと真摯に向き合って、理解しようと努めている人です。

PCを駆使して、動画会議のような形で、離れた場所で開催されている学会だか講義だかにも参加していたみたい。
その筋の権威みたいな人っぽい。

おそらく誘拐犯の人の他にも同じような、あるいはまた別の症状の患者さんを何人も診ていたのではないかしら。

あれだけの理解者はなかなかいないだろうと思うと、その後の他の患者さんの行く末が心配かもしれません。


無線機が繋がって外部と連絡をとれた時に、「私は誘拐された、助けてほしい」と伝えても相手はイタズラとしか思ってくれないのはつらい場面でした。

信じがたい事が起こった場合に、それを他の人に伝えて信じてもらおうというのは案外難しいものなのかもしれません。