ハロルドが笑う その日まで 感想

映画「ハロルドが笑う その日まで」を観ました。
5月1日、TOHOシネマズららぽーと横浜にて。

北欧の家具屋さんのご主人が、店の隣にIKEAが建ったことで転落していくお話。

コメディかと思っていたのですが、想像以上につらいお話でした。

材質や耐久性や使用感にこだわった高級志向の家具が、安物に淘汰されていってしまう。
消費サイクルがはやくなって、それが壊れる頃には次のより良い商品ができているさ、という(作中の)IKEA会長の理念が象徴的です。

世知辛くはありますが、消費者としてもついつい安い方を選んでしまう安易な姿勢を反省しなければならないのかもしれません。
懐事情が許してくれないという厳然たる現実もあったりするわけですが、家具が長持ちしても使う側がそこまで長生きできないだろうし、遺すべき子や孫もおそらくいないだろうし。
今は下宿状態なんで引っ越しを考えるとがっしりした家具はむしろ邪魔かなとか思ってしまうし。

IKEAに客を奪われて閉店を余儀なくされた失意の旦那さんがIKEA会長を誘拐しようとする、と予告編で示されていたわけですが、意外にも、誘拐しようと決意するまでの紆余曲折が長かったです。
IKEAに店潰された。誘拐する!、なんて単純な逆恨みではなく、もう少し複雑にいろんな事象が絡み合っています。

とくに息子さんの存在が大きかったみたい。
予告編ではわからなかった部分でした。