貞子vs伽椰子 感想

映画「貞子vs伽椰子」を観ました。
7月9日、MOVIX清水にて。
貞子については、リングシリーズ(らせんループまで)の原作は既読。映像作品もたぶん見てはいるはず。(うろ覚え)
伽椰子についてはほとんど知りませんでした。

「呪いのビデオ」を見てしまって、その呪いを解くために奔走するお話。(なので貞子側の比率が大きい気がする)

大学生女子二人がいちゃいちゃしているだけで百合と決めつける風潮はどうかと思いますが、控えめにいっても、本作は百合とみなしてよさそうな気がします。
ヒロインのひとりがユリという名前なのも自覚的な命名に思えます。

一緒に住んでいないのが不思議なくらい、四六時中べったりくっついていちゃいちゃしていた気がします。

貞子さんは、呪いのビデオを見た人物を二日後に迎えにくるわけですが、それに加えて呪いを解こうとする人たちに対しては即座に実力行使に出るあたり、かなり過激です。
傍迷惑といってもいいかもしれません。

呪いのビデオを見た本人よりも、その周囲で巻き込まれた人たちのほうがひどい目にあっていたのではないかしら。
お祓い師の方々も文字通りに命懸け。

で、手に負えなくなったお祓い師さんは、貞子さんに別の呪いをぶつけて相殺しようと思い立って、伽椰子さんの家に目をつけます。
(劇中では前から目をつけていたみたいな表現だったかもしれません。)

そんなわけで、表題に偽りなく「貞子さんvs伽椰子さん」の死闘が繰り広げられることになるわけです。
特撮ヒーローものみたく対決を煽っていても最後には協力して別の敵を倒すみたいな展開にはならないあたり、良心的に思えます。

一方で貞子さん伽椰子さん側から見ると、両方と呪いの契約をしたけれども魂はひとつしかないから貞子さんと伽椰子さんとで競い合って勝ったほうに魂をあげるね、みたいな二重契約を悪用するイヤな顧客に遭遇してしまったようなものにも見えてしまいます。
死神のノルマ競争の熾烈さを感じるようでもあります。

貞子さんも伽椰子さんも、月に何人以上呪いなさいみたいなノルマが課されていたり、今月は貞子さん5人、伽椰子さん4人ね。伽椰子さんはもう少しがんばりましょう。みたいに成約数を競い合っているかと思うと、死神業界も世知辛いように思えてきます。

そう思うと、あの悪魔合体成果主義の業績競争に対するある種の反発の在り方だったりするのかもしれません。