疑惑のチャンピオン 感想
映画「疑惑のチャンピオン」を観ました。
7月16日、横浜ブルク13にて。
字幕版。
実はツールドフランスをよく知らなくて、茄子アンダルシアの夏とかも見ていないものでして。
日本アニメ(ーター)見本市のヒル・クライム・ガールに出てきた人は別人でしたかしら、というレベルではありますが。
一方ではガンを克服してチャンピオンに輝いた英雄、闘病している人たちのヒーローという正の側面がありつつ、
もう一方では、肉体増強剤みたいないわゆるドーピングを組織的に行っていたという負の側面もありました。みたいな。
本音を言えば、スポーツにおけるドーピング、薬物投与にあんなに神経質にならなくてもいいのではないかという気持ちもあったりします。
副作用は怖いのかもしれませんが、悪影響が出ない程度なら別にいいのではないかと思ってしまったり。
モータースポーツをはじめ、肉体以外の器具を使う競技では、その器具の改良もまた競技の一要素でしょう。
その延長として、人体にも改良を加えることを是とするような競技があってもいいのではないかと思ってしまうのです。
従来の仕組みを変えるのが難しいのであれば、従来の競技とは別に薬物投与フリーな競技も設定するとか。
マンガとかでアンダーグラウンドな世界では時おりそんなようなのが出てくる気がします。
個人的には『シリウスの痕』みたいなのを念頭におきつつ。
上記のシリウスの痕なんかはサイボーグみたいに肉体を丸々人工のものにしたような感じでしたが、
事実に基づく物語であるところの、本作の主人公さんのチームの手口はもっと作り話かと思うような無茶をしています。
血液検査で血中の赤血球濃度だか何かを測定するらしいのですが、彼らが使っている薬物は赤血球濃度を減らしてしまうらしく、そのままでは検査に引っかかってしまうため、正常時の血液を抜いて冷凍保存しておいて検査の際にはその保存した血液を輸血し直して数値を正常な範囲まで押し上げる、なんてことをやっていたご様子。
素人目には、そんなに頻繁に血液を抜いたり入れたりして大丈夫なのか心配にもなりますが、ちゃんとした(歪んではいるものの)ドクター監修の元で行われていたようで、なんというか、とんでもないことを考える人がいるものです。
で、はじめの話に戻りますが、こういった一見無茶に思えるようなことを、極秘裏にこっそりやるよりも、おおっぴらにして公然と研究の名目でも掲げてやったほうが、科学とか医療の進歩に結びつくのではないかなあと思ってしまう次第。
倫理面道徳面をどのように処理すればいいのかはわかりませんけれども。