ひるね姫 感想

映画「ひるね姫」を観ました。
3月25日、川崎チネチッタにて。

・「悪くはない」とか「良いところもたくさんあるけど全体としてはなんか惜しい」みたいな奥歯に何か挟まってるような書き方をしようと思っていたのですが、エンディングで全部もっていかれました。不意に涙がぽろぽろこぼれてきて感情のほうが追いつかないくらい。
あのエンディングはとても好き。

・謎の少女「エンシェン」の仕掛けはすごくよかったです。仕掛けに気づいたときにはぞくっとしました。直後にはその仕掛けがネタ明かしされいたので手の内で踊らされてた感ありありでしたけれども。

エヴァの「ネルフ、誕生」の回と対比してもおもしろそう。

惜しいと思った点

・自動運転が必要な理由とか、自動運転でなければならない理由のあたりにいまひとつ踏み込めていなかったような。
自動運転をやりたいと提案する側も漠然としたふんわりした夢みたいなことしか言ってなくてそりゃ説得力ないやという感じだし、自動運転に反発する側もハード屋がソフト屋に頭を下げられるかみたいな感じでしかなかったし。
もうちょっとこう、自動運転ができればこんなことができるあんなことができるみたいな希望的観測を提示してくれてもよかったのに。
家に帰るように指示したのに勝手に助けに来るみたいなファンタジーではなくて。(逆に、実際の製品があんな挙動をしたら不具合でしかないわけで)

・オニとかエンジンヘッドとかが何のメタファーなのかよくわからなくて。ぼくの理解力が低いだけなのかもですけど。

・羽は鳥みたいな形状よりもメカメカしい形状のほうがよかったんじゃないかなあと思いつつ、「心の羽根」が重要なモチーフな以上は鳥の翼でなくてはいけなかったのかしら。
からあげくんみたいなヤツの羽根も含めて。


その他

・「機械の国」の機械の内実が人力(足こぎ)というのが皮肉めいていておもしろかったです。
エンジンヘッド(足こぎ)。

・機械を絶対視するわりに製造ラインは自動化せずに人力にこだわっていたのは労働の創出みたいな意味合いかと思ったけどそんなことなかったのかしら。いまいちすっきり解釈できていません。
あれだけ大規模な製造業で組立工程が自動化してしまったらそりゃあ大量解雇もやむなしでしょうけれども、あまり触れてはいけないところっぽいかも。

・渋滞して遅刻が大量発生しているならそれをなんとかしようとするのがエンジニアの本分ではないのかと思いつつ、旧態依然とした悪癖を誇張して揶揄する描写でもあるのかも。