ドラえもん のび太の宇宙英雄記(2015) 感想

映画「ドラえもん のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)」を観ました。

表向きは「ヒーローって何だろう?」みたいな題材のように見えますけど、むしろ、「ヒーローは世界を救うことができるのか?」という問い掛けに見えました。

ラクル銀河防衛隊のテーマ曲が繰り返し流れるわけですが、その盛り上がり具合がなんかすごいなあと思います。

楽器の数が少なそうなおとなしめのBGMから、だんだんと楽器の数が増えてきて力強くなってきて、ついには合唱の歌声も重なって、みたいな。

とくにムードもりあげ楽団が登場してからは、ほんとにムードが盛り上がる感じで。

杉並児童合唱団さんによる合唱というのも、「ヒーローもの」という雰囲気に合致しているのかもしれません。


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征地球論。
ドラえもんさんの世界でも、やはり宇宙からの侵略者さんたちは虎視眈々と観察を続けているみたいです。

泣くなゆうれいさんと、
絶滅の島さんと、
メーバさんの元ネタについては、精霊よびだし腕輪説と、森は生きている説とあるみたいですが、未確認。


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映画の撮影をしていたはずが本物に巻き込まれていく展開。

おもしろいです。

ジャイアンさんはもちろんのび太さんドラえもんさんは主役を張りたいと主張しますけれども、スネ夫さんは自分が矢面に立ちたいという欲望はあまり見せないですよね。

ジャイアンさんを前に立たせて後ろから操りたいタイプ。

だと視聴者であるぼくは勝手に思い込んでいますけれども、本編ではスネ夫さんがセンターに立つこともあったりしたかもしれません。

欲を言えば、映画を撮影していたのですから、その撮影した映像も見てみたかったです。

観客が見ている本編映像だけでなく、劇中のカメラで撮影したであろう映像を。

もしかしたら、本編の映像に組み込まれていていたのかもしれませんけれども、はぐれた時にはカメラの映像が出てきたので、区別はされているはずなのですが。

もしかしたら、エンディングで流れていた映像がソレだったのかしら。

スタッフロールを気にしていたせいか、エンディングの映像は本編のダイジェストのように見えていました。

ぐぬぬ


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メーバさんは観月ありささんだそうですが、違和感ないどころか、めちゃめちゃかっこよくハマっていました。
素晴らしい。

偉そうに鞭をびしばし振るってくださりそうな、いい上司なのではないかしら。


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さびれた村的な小さな地域に対する扱いは、一見、クレヨンしんちゃんさんのマダクエルヨバカ町と対局対極(20150420訂正)なようですが、実質的には同じような気がします。

とくにこれといった産業もない小さな地域でテーマパークを誘致してなんやかんや、みたいな。

マダクエルヨバカ町では町長さんの意識が高くてどげんかしようとしていましたけれども、
こちらのポックル星では、チンプイさんの亜種みたいな外見で基本的に他人を疑うことを知らない善意の住人ばかりなので、まあ危機意識の足りないこと。

題材にするには少し古いような気もしますけれども、テーマパークを発電所に置き換えると、また違った景色が見えるかもしれません。

というか、この映画の終盤は、かなり深刻でえげつない感じです。

それを炸裂させちゃうのかぁ、と。

F先生の異色短編、「ある日……」とか「箱舟はいっぱい」に近いような、平凡な日常に思えていても災害はいつふりかかるかわからない、みたいな警鐘のように思えます。

基本的にお人好しばかりの地域に悪意の人たちが襲いかかるというのは、アニマル惑星あたりでも扱われていたような気がしますけれども、この映画もまた、かなり踏み込んでいたように思います。

結末はかなりご都合的で、これはもう、あのくらいはちゃめちゃな機械仕掛けの神さま並みの舞台装置でも使わなければ収拾がつかないくらいに、凄惨な事態になっていたということだろうと思います。

現実世界には早回し機能なんて実装されていないわけで、なんともはや、うわぁ……、とドン引きするほか、為す術がありません。

恐ろしい。

F先生の異色短編で言えば、「大予言」を見せつけられたような気分です。

バーガー監督はちょっと便利すぎというか、やっぱり機械仕掛けの神さまなのかもしれません。
能登麻美子さんみたいですし。


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アロンさんは保安官さんらしいのでおそらく成人のはずですが、小学生の銀河防衛隊にも丁寧な口調で礼儀正しい人だなあ、と思いつつ、もしかしたらほんやくコンニャクは口汚い言葉でも丁寧な言葉に翻訳するのかしらと思ったものの、悪漢側は口汚い言葉だったりするので、やっぱりアロンさんの笑顔を守りたい。


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昨日見ていて停電で中断という貴重な体験をしたのはコレだったのですが、ほとんど終盤まで行っていたのに全額返金していただけていたので、1本分の料金で2回見てしまったようで心苦しくもありますが、さすがにあの終盤、ため込まれたエネルギーが発射されてしまったー!、というところでぶつ切りのままではどうにもならなかったので、改めて見てよかったです。



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