劇場版 黒子のバスケ LAST GAME 感想

映画「劇場版 黒子のバスケ LAST GAME」を観ました。
3月25日、川崎チネチッタにて。

・単純な感想としては、おもしろく見ることができました。
・ただ、昨今のポリティカル云々な風潮を鑑みると、単純にすごーいたーのしーで済ませていいものなのか、モヤモヤした気持ちが残ります。
・具体的には、肌の色が濃い外国の人を単純な悪役として描写してしまっている構図に見えてしまったもので。
・あんなに悪辣な人物像にしなくても純粋につよーいすごーいという人物像でもよかったのではないかと。
風評被害というか名誉毀損に近いことをしているのではないかと、心配になってしまいます。

・もう1点、基本的に外国の人たちも日本語で会話しているように見えていたのでどこかに自動翻訳こんにゃくが仕込まれていたのかと思ったのですが、日本側の選手が外国側の選手を煽る際に英語でしゃべる場面があって、この世界の言語観がよくわからなくなりました。

・とはいえ、「あの流川楓と戦っている」という構図だけでゾクゾクするわけで、キャスティングすごーい。

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・バスケットボール競技のスピーディーな描写はすごいなあと思いました。
・とくに試合開始してすぐのあたりでカメラがぐにゅーっと回り込んで画面の中のコートが三次元的に立体的に描写された流れが、とても迫力のある場面だったように記憶しています。
・あとゴールしたときのゴールネットの動きが、CGの物理計算を使った動きなのか、おもしろい動きをしていておもしろかったです。

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・実は黒子のバスケという作品について、キャラクターは見たことあるものの中身にちゃんと触れたのは初めてなもので、各々がどういう人物なのかはよく知りませんでした。
・が、本作の中の描写だけでもなんとなくこの人はこういう人だとわかるようになっていて、キャラが立っているというのはこういうことなのだろうと思いました。
・ただ、赤の眉毛のほうの人に関しては、本作の主役のような立場であるはずなわりに、そこまで目立って特徴的な存在感は見られなかった気がします。
・緑の人の遠距離攻撃とか、紫の人の力とパワーとか、黄の人の統率力・突破力や、赤の目のほうの人の超能力や、といった異能じみた存在感に比べると、赤の眉毛の人と青の人は純粋に総合的に優秀ということなのかもしれませんけれども、そこまで目立った存在感があったかというと。
・そういえば黒子の人も、もっと万能だったり驚異的な身体能力があったりするのかと思っていましたが、どちらかというと特異能力側の存在なんですね。
・やけにケンカっぱやかったり気が短い描写もありましたけど、本人の力だけというよりも周囲の人たちあってこそみたいな感じ。

・これを書きながら思い出しましたが、赤眉毛の人と青の人は目から光を放ってましたね。
ガンダムとかのロボットものにありそうな表現だなーとか思った記憶があります。トランザムとかああいうの。
・ゾーンでしたっけ。
・観客の人たちが「ゾーンに入った!」とか盛り上がってた気がしますけど、あの目からほとばしる光は他の人たちにも見えているということなのかしら。

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・「LAST GAME」というタイトルが回収された場面は、そこでそうくるのかーと素直に感心しました。

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・結末、比較的ドライな感じですっきりさっぱり爽やかでいいなーと思いきや。
・急に戻ってきて心情を吐き出して泣いちゃうのはちょっとやりすぎではないかと思ってしまいました。
・あそこはすっきりさっぱりで済ませてくれたほうが個人的には好み。
・というか、ああいうのはどちらかというと恋愛関係にある男女でやることではないのかと思ってしまったり。
・いやまあ恋愛関係みたいなものなのかもしれませんけれども。
・ちょっとあざとかったのではないかなあと思ってしまいました。

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・途中でマネージャーさんっぽい折笠富美子さんの人が言ってた「なんだろう、このところ涙もろくて……」みたいなセリフに共感しきりでした。