ポッピンQ 感想

映画「ポッピンQ」を観ました。
12月24日、渋谷TOEI?にて。

ダンスで世界を救うお話。


3行で

瀬戸内海かと思ってました

桂浜って高知でしたか。
広島あたりの言葉と高知の言葉の区別ができてないみたい。
〜じゃ。が広島で
〜じゃき。が土佐かしら。


ダンスか陸上か

映画の中心になる題材がダンスと陸上と2つの柱になっていて、どっちつかずというか。
陸上のほうは見せ場として良かったと思うのですが、(ただ予告編でがっつり流れていたので拍子抜けしてしまいました)、
ダンスの存在意義というか、あの世界におけるダンスの在り方の部分がいまひとつわかりにくいというか。

どなたかも書いていましたが、客席に向けたダンスというのが違和感の発生源なのではないかと思ったり。
祭祀的な場でのダンスは輪を作って内向きに、お互いの顔を見ながら踊ったほうがいいのではないかと思うんですよね。
ダンスの中で心が通じ合うドラマを描くにも、お互いに目配せするだけでもぐっと伝わってくると思うのですが。

ステージに立って観客席に向かって踊るのと、グループで自分たちだけで踊るのとは、踊り方も違っていいのではないかと思うのですが。
素人の浅知恵に過ぎないので、作り手の方々には作り手の方々の考えがあってのことだろうとは思いつつ。


小湊伊純さん(ポッピンピンク)

陸上部。
本作の主人公的な立場で、本来であれば5人それぞれの悩みとその解決を描ければよかったのでしょうけれども、ほとんど、このピンクさんに集約されてしまっていたように思えます。
直情径行傾向なだけに悩みをこじらせるとめんどくさい態度になってしまうのかも。
お祖父さんのアドバイスがなんかぐっときました。


友立小夏さん(ポッピンイエロー)

音楽の人。
変身して特技が使えるようになる展開なのですが、この人の特技の効力はいまひとつどういう技なのかわかりにくかった気がします。



大道あさひさん(ポッピングリーン)

柔道と合気道の人。
戦闘力は随一で、正面の構えがめちゃめちゃかっこいいです。(たしか出会いの場面とクライマックスの戦闘場面と2回あったはず)
わりと周りに流されやすい性格なのかも。


日岡蒼さん(ポッピンブルー)
都久井沙紀さん(ポッピンブラック?、ホワイト?、パープル?)

ほんとに申し訳ないのですが、この二人のキャラクターの区別がつきにくくて、事前にもう少しどうにかならなかったのかしらと思ってしまいます。

たとえばどちらかをショートカット(短髪)にしてくれるだけでも差異がはっきりしたのではないかと愚考するのですが。

クールなツンデレさんと、ネガティブさんという違いはあるにせよ、ビジュアル面での違いもあってもよかったのではないかしら。

4人でのバランスと5人になってからのバランスとを両立しなくちゃならない上に、都久井沙紀さんの役割としてのビジュアルもあって難しい加減だろうとは思うのですが……。



5人のプリキュアでいえば、YESもスマイルも桃赤黄青緑という配色だったと思いますが、
本作ではピンクと赤を小湊伊純さんが兼任していて、黄と緑がいて、青の役割が二人になってしまったように見えます。

もしかしたらはじめから5人ではなくて4+1人という設計なのかもしれませんけれども。


時間の表現

たしか予告編とか事前情報でも、本作で主人公さんたちが赴く異世界は時間を司る世界だと説明されていたと思います。

が、その説明が言葉で説明されるだけなので、世界の危機と言われてもその危機感が肌感覚として伝わってこなかったように思います。

ラスボスの人が時間を操る能力を持っていて、その戦闘中の場面なんかは良い描写も多かったのですが、
(欲をいえばあの美少女キャラの絵柄そのままで加齢していく絵を見たかった気持ちはありますが)、
あの時間を支配される絶望感や、時間の統制が乱れることによって世界が混乱する恐ろしさのようなものを、序盤で提示しておいてほしかったように思います。


良かったところ

なんやかんやと難癖をつけてしまいましたが、全体としてダメダメだったというつもりはありません。
総合的に見ると好きな作品の部類に入ります。

好きな要素が多いだけに、もう少しこうだったらなあと思ってしまったというか。

素人考えでしかないので、そのようにしたからといっておもしろくなるとは限らないのが創作の難しそうなところではありますが。



そう、良かった点。

若さがいっぱいです。
ポジティブで前向きな熱量も、ネガティブに自分を消そうとしてしまうところも。
こういうのは、その真っ只中にいる人たちに見てほしい反面、その当人たちには届かないのだろうなあとも思ってしまいます。
見てもらうのも難しそうだし、見てもらえたとしても、そのメッセージは届かないかもしれないし。

その時期を過ぎ去ったいい年した大人が、若さという眩しさに目を細めて、若いっていいなあと思いを馳せるにはうってつけの作品だと思いました。