2015本格ミステリベスト10 感想
探偵小説研究会編著「2015本格ミステリベスト10」、原書房
勢いで2つ目のランキングもの。
入選作の評がけっこう量多くて読み応えばっちし。
自分の好きなものが誉められているだけで嬉しくなるような、ぼくみたいな単純な人間にとっては、読んでるだけで幸せなものです。
既読は「さよなら神様」と「○○○○○○○○殺人事件」だけではありますが、未読の作品も読みたくなる誘惑が強めで、悩ましい。
映像作品では自分の守備範囲の狭さを痛感させられます。
「私の嫌いな探偵」は、「33分探偵」と聞くと見ておけばよかったと思いました。
白ゆき姫殺人事件とか万能鑑定士Qみたいな原作ものは挙げない方針なのかしら。
ラノベ分野も見事にかすりもせず。
いなくなれ群青あたりは読んでみたい気もします。
特集「古今東西みんなが愛した名探偵」。
探偵ジャンルというのはキャラクターものなのだなあと感じる特集です。
ぼくみたいな素人でも聞いたことあるような有名探偵さんから、あんまり存じ上げない方々まで、多種多様な錚々たる面々。
メルカトル鮎さんが意外に上位で、なんかすごい。
個別の回答では、金田一一さんに加えて燈馬想さんも挙がっている一方、江戸川コナンさんがいないのは残念。
麻耶雄嵩さんではメルカトル鮎さんはもちろん、貴族探偵さんも神様鈴木くんさんも木更津悠也さんも挙がってて、なんかすごい。
まんが分野も笑えるほど読んでいなくて、「Q.E.D.」「C.M.B.」のシリーズと「それ町」くらい。
五色の舟は気になる存在。
そんなこんなで、文章量がたっぷりで読み応えがあるものの、ある程度の知識を有することが前提のようで、そもそも「本格ミステリ」というのがどういうものを指しているのかわかっていないぼくみたいな初心者には、やや難解な印象でした。