年も明けたのに。
ランキング特集「BOOK OF THE YEAR 2014」
たしかに書店ではよく見かけるけど大して興味を引かれないような、あまり面白みを感じないランキングとでも言いましょうか。
「興味を引かれない=ぼくが知らないからつまらない」、ということでしかないわけですが、これが「世間」とか「一般」の表象なのかもしれません。
「ハケンアニメ!」のCLAMP絵な書影の場違い感とか、「ビブリア古書堂」「アルスラーン戦記」「終物語」あたりはまだラノベと一般の境界っぽいけど「SAO」や「ログホラ」はがちラノベな認識でしたので、そういうのも入るのか、と少し意外に思ったり。
「小説 言の葉の庭」は映像が素晴らしかった記憶がありますが、文章だとどうなるのかしら。
ドロドロした心情ものになりそうですけれども。
コミックランキングは、ほんとおもしろくないと言い切りたくなるくらい、新鮮味を感じません。
他のとんがったランキングも見てしまっているせいか、既にある程度評価が確立されているものが並んでいる印象というか、これまた「一般的」とか「マジョリティ」みたいな印象。
週刊少年誌を除くと、いわゆる青年男性向けとでも呼べそうな作品がずいぶん少なめに感じます。
男女の区別が無いものに敢えて男女差を見ようとするのは、おかしなことかもしれませんが、
ぼくの中で、「これは男子が好きそう」とか「これは女子の人が好きそう」みたいな漠然とした区別があって、
それでいうと「女子の人が好きそう」ジャンルが上の方を占めているというか。
作家さんの性別と、作品の(主な)対象読者層とが必ずしも関連するわけではないでしょうけれども、(男性作家で女性向けも、女性作家で男性向けも、当然混在しているわけで)、このランキングに関しては、女性作家さんが圧倒的に元気だ、という見方もできる気がします。
某男女別になってるランキングも合同にしたらこうなるのかしら。
あと、入選した作品の紹介がほんの数行しかなくて、知らない作品があっても、それがどんな種類のおもしろさなのか、何の指標にもなりそうにないのが、残念。
順位の羅列では、あーこれ知ってる〜、か、何これ知らねー、か、しか感想が持てなくなってしまう気もします。
興味を広げる効果が弱そうな感じ。
そういえば「子どもはわかってあげない」は入ってないのかしら。
集計期間が9月末までだと対象外かしら。
特集以外では、
名探偵のキャラ立ちミステリーの項で、「メルカトルかく語りき」が入ってて、大丈夫なのか心配してしまう勢い。
東野圭吾さんみたいな人情味の傾向を好むような方々とはかなり対極にあるような、人情を切り離した論理性特化の方向性は受け容れられるものかしら。
映画「海月姫」特集もありますが、とある趣味に特化した人物をオタクと称する部分まではどうにか納得(許容)もできますが、
趣味傾倒をこじらせただけで「腐った」と表されるのは、いくらなんでも違う気がします。
「腐る」はあくまでも、BL的な嗜好に陥った方々が自虐で称している言葉であって、
たとえば独り身をこじらせた場合は「喪」の字を使うことはあるかもしれませんが、「腐」とは異なる概念だと、個人的には思っていました。
言葉は移ろうものですし、ぼくの認識が古いのかもしれませんけれども。
ともあれ、フィリップさんのご栄転は祝福せざるを得ません。
新人賞の項ではやはり「○○○○○○○○殺人事件」が話題に挙がっていて、とりあえずこれだけ押さえたからOKみたい。
「誰に見しょとて」「満願」みたいな買ってあるけど積んでるみたいのが紹介されてるとちょっぴり悔しくなりますが、読んでいないぼくが悪いだけなので申し訳ありません。
作家さんランキングも、ふーん、程度の感慨。
無難な感じです。
宇野常寛さんの「1993年のニュータイプ―サブカルチャーの思春期とその終わりについて」という記事はNHKで放送された「ニッポン戦後サブカルチャー史」と実写ドラマ「アオイホノオ」を絡めた「あの頃」のお話のようで、もう少し落ち着いて熟読したい。
できれば「アオイホノオ」のBDBOXを購入したので、それを見ながら考えたい所存。
単純に「本」といってもその示すものは人によって千差万別でしょうけれども、その中でもこの「ダ・ヴィンチ」誌を愛好する方々がおそらく母集団と思われる中での分布なり偏差なりが「世間」とか「一般的」とか「メジャー」みたいな形になっているのかしら、とは思いました。
「メジャー」の枠組みを把握するには良いリストかもしれません。