俺ガイル 6.5

渡航やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」6.5巻、ドラマCD付き限定特装版 (ガガガ文庫)

6巻での文化祭の後、7巻での修学旅行の前、の時期にあたる体育祭のお話。

アニメ版では番外編として放送され、DVD/BDの特典として付録されていた「6.25」「6.50」「6.75」を再構成したもの、とのこと。

申し訳ないながら円盤は購入していなかったのでこれが初見です。

文化祭実行委員長として華々しい躍進を見せた相模南さんが、今回も大活躍です。

胃が痛い。

能力の足りない凡人は目立とうなどと思わずにおとなしく慎ましやかに息を潜めて生きていくしかないわけですが、
残念ながら、不可抗力とはいえ一度でも表舞台に立ってしまうと、そう簡単には引き返すこともできないようです。

空気が澱んでギスギスした教室の雰囲気を改善するために、奉仕部による相模南更正計画が発動するのでした。

それでもまた、凡人は凡人なりに凡人らしくもがきあがくしかないということで、本巻の主旨はむしろ相模南さんの成長譚でありましょう。

失敗してもやり直せるなんてのは成功者の理屈に過ぎなくて、失敗したままやり直せなかった事例は山ほどあろうとも後世には残らない。

世界は常に成功者の言説に支配されていて、被支配者の無駄な努力は封殺される。

ままならないものです。

そんなわけで、主人公相模南さんの凡庸さと対比されるかのように、雪ノ下雪乃さんと由比ヶ浜結衣さんが率いて比企谷八幡さんが従うところの奉仕部の有能さが浮き彫りになるのでした。

生徒会を影で操る黒幕の域まである。

こうして、できない子の奮闘をなま温かい目で眺める上から視点だと、読んでいる自分もあたかも賢くなったかのように錯覚できるので、とても気分が良いです。

ライトノベルどころか危険ノベルと呼称したくなるほどの依存性。

おまけにつんつん系クールさんとほんわかびっち系キュートさんと2人もから好意を寄せられているとか、何これはーれむなの?、みたいな。

パッションは平塚先生かしら。いやでもとしま枠はクールの法則……。川なんとかさんもクールだろうし。三浦さん海老名さんあたりはパッションかも。城廻先輩がパッションか。いろはすさんもパッションっぽい。

八幡さんが自滅さえしなければ、世界はいたって平和なようです。

あ、本編中の三浦さんはめちゃめちゃかっこよくて、惚れます。



後半は、ぼーなすとらっく「そのクリスマスキャンドルの灯が揺れる時……。」。

特典CDドラマの脚本を小説形式にリライトしたものとのことですのでこれだけでも楽しめますが、やはり音声で聞くのも幸せなものです。

ただ、「平塚先生」の発音が「ひらつか→」と平坦でなくて「ひら↑つか」と「ら」にアクセントがあるのがなんか違和感も。
地名と人名の違いなのかもしれませんが、なかなか慣れません。

時間軸は、9巻の後。
すったもんだあって和解した奉仕部の皆さんがきゃっきゃうふふしてます。
うぇーい。

プレゼント交換とか縁が無さすぎて未知の世界。
駆け引きとかめんどくさそう。

中の人ネタもさほど理解できるほうではないのですが、「激寒ダジャレお姉さん」に気がつかなかったのは不覚でした。
高垣楓さんですよね、たぶん。

いっぽうで、ぱんぱかぱーんの人はといえば、「わかるわ」は無かったような気がします。無念。
まあ川島さんはだいぶ声の方向が違うみたいなので仕方ないですかね。

YouTubeさんの公式チャンネルで期間限定キャストコメントも配信されているので、CDを聞き終えたらそちらも要ちぇっく。
JPY。
うぇーい。

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