俺ガイル 8巻 感想

渡航やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」8巻イラスト集付き限定特装版、ガガガ文庫

生徒会選挙のお話。

舞い込んできた依頼を巡って、奉仕部の3人が対立します。
いやはや、ままならないものです。

かぐや姫同様、本当に実在するかどうかもわからないような究極理想の「本物」を手に入れようと、もがきあがきじたばたします。
その姿は、決して「自己犠牲」ではありません。
自らの意志で、自らの目的のために、堪る限りの力を尽くします。

ただ、解決するためには問題を設定せねばなりません。
単純に依頼を解決するだけでなく、奉仕部3人それぞれの思惑が複雑に絡み合います。

「答え」を思い浮かべた上で、そのために「問題」を設定する。
はたして、その「答え」自体が正しかったのか。
もっと別の形はなかったのか。

最後、城廻先輩が示唆するあり得たかもしれない可能性。
今回、ゆきのんさんは何も語りませんが、あるいは、と考えさせられます。

一色いろは

それにしても、7.5巻でちらっと出てきただけの一色いろはさんが、ここまで重要人物になろうとは。

まあ、逆にいろはすさんを登場させるためだけのために7.5巻があったのだという見方もできますが。
いろはすさん、恐ろしい子

折本かおり

それから、八幡さんの中学時代の同級生、折本かおりさん。
なんたるかませ犬。
八幡さんの中学時代の話はこれまでもちょいちょい挿入されてきましたが、こうして眼前につきつけられてみると案外こんなもんなのかもしれません。
過去は美化されるというか捏造されるというか。

それに対する、現在進行形のゆきのんさんとがはまさん。
この2人が相手とあっては、そりゃあ色褪せもするでしょう。
でもまだこれからも出てきたりするのかしら。

三浦優美子

あーしさんはあいかわらず涙目が似合います。
よくわかっていらっしゃる。

川崎沙希

川なんとかさんはいつもながらちょろいんさん。
付録のイラスト集でも公式にチョロい認定されました。

平塚静

平塚先生は、今回は審判に徹している感じ。
それでも決めるところは決めてくれます。
かっこいい。

雪ノ下陽乃

はるのんさんは、今回わりと重要人物。
というか駆動力。
恐ろしい。

葉山隼人

葉山さんは今回株を上げたのやら下げたのやら。
ただ、八幡さんとの対比としての存在感はますます増しています。
はや×はちは正義。

比企谷小町

小町さんは今回いい仕事をしています。
妹ならではです。

由比ヶ浜結衣

がはまさんは今回がんばってました。
立派です。

雪ノ下雪乃

ゆきのんさんは、難しい。
口に出さないから、何を考えているのかわかりません。
話さずにわかりあえるのではないかというのは、一種の甘えなのでしょうか。
それだけ八幡さんを信頼していたのかしら。
難しいです。

付録

付録のイラスト集は、描き下ろしや単行本未収録のイラストに加えて、キャラクター&ファッションとして上記の川なんとかさんの他にはるのんさんと、なぜか戸部さんの解析が載っています。
謎の人選。

あとはいつもながら、本文中の小ネタとして、艦これをはじめとして弱虫ペダルやらにゃんぱすーやらキルラキルやらビルドファイターやらヴヴヴやらサーバントサービスやらアイドルマスターやら、新旧とりまぜて満載です。

ただ、それだけに、今どきついったー?、とは思ってしまいました。
らいんってのが主流だとばかり思っていたもので。
ただ、今回のトリックを使うためには、らいんではなくてついったーでなければならなかったのかな〜と思うと、時事ものの扱いってたいへんだな〜と思ってしまうのでした。