ジブリの教科書1「風の谷のナウシカ」 感想

スタジオジブリ・文春分庫編「ジブリの教科書1 風の谷のナウシカ」、文春ジブリ文庫

「教科書」という表題ではありますが、どちらかというと資料集とか副読本という感じ。
解説・読解的な部分と、映画公開当時の資料集的な面とあります。

映画「風の谷のナウシカ」の解説本ですが、まんが「風の谷のナウシカ」についての言及もあったりして、ややこしいです。
それだけ二つの「ナウシカ」が切り離せない作品だということなのでしょうけれども、ごっちゃにすると論点が散漫になってしまう気がします。

立花隆さんなんかはむしろまんが版についてもっと語りたそうな雰囲気がにじみ出ていました。丸々一冊解説本を書いてくださってもいいのに。

内田樹さんの文章も「二つの『ナウシカ』」についてではありますが、どちらかというとまんが版について語られている気がします。
まんが版未読の人にまんが版を布教するという意味ではよいことなのかもしれません。

映画版の制作現場や当時の宣材や新聞記事などは資料としても興味深いです。
それにしてもなぜに相鉄ムービル(の前売り券)。身近すぎてこわい。

主人公ナウシカさんのモデルと言われている、堤中納言物語虫めづる姫君や、オデュッセイアナウシカアさんについて、原典を読むことができるのは、ありがたい限りです。
やはり原典にあたるのは大事ですね。

そんなわけで、まんが版を読み返したくなるのでした。

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