風の帰る場所 感想
宮崎駿「風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡」、文春ジブリ文庫
宮崎駿監督が自作について語るインタビュー集です。
インタビュアーは渋谷陽一さん。
インタビュアーが一貫しているので、お話にも連続性があります。
時期としては、「魔女の宅急便」以降、「紅の豚」、「もののけ姫」、「千と千尋の神隠し」と上り調子な頃。
題名を並べただけでもなんかすごい。
観る側の視点からの映画論から始まり、宮沢賢治、手塚治虫など、影響を受けたとおぼしき人たちについてもあれこれと。
庵野秀明さんや押井守さんについてもちくちくと。
紅の豚、もののけ姫、千と千尋の神隠しについても、「おもひでぽろぽろ」や「耳をすませば」を含めて、連続した流れに沿って生まれてきたことがわかります。
中核となるのは、コミック版「風の谷のナウシカ」。
インタビュアーの人の強い先入観みたいなものもありますが、あれがあってこれがある、という関連性はなんだかわかりやすいです。
そんなわけで、宮崎駿作品の背景に広がる広大な世界を垣間見ることができると同時に、自分の世界の小ささを思い知らされるのでした。
風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡 (文春ジブリ文庫)
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