ジブリの教科書7「紅の豚」 感想
「ジブリの教科書7 紅の豚」、文春ジブリ文庫
映画「紅の豚」にまつわるあれやこれやをまとめたもの。
公開当時に夕刊フジとタイアップしたという「夕刊ブタ」が丸々掲載されているのは貴重なのではないかしら。
(ジブリ以前はともかく少なくともスタジオジブリの長編映画では)女尊男卑の傾向が強い宮崎駿作品ですが、「天空の城ラピュタ」「紅の豚」「風立ちぬ」あたりはわりと男でも好きだと言いやすいというか、かろうじて男も捨てたもんじゃないと自尊心を満たせる作品なのではないかと思います。
そんなわけで、紅の豚、大好き。
ジーナさんもフィオさんも素敵だし、何よりポルコさんがかっこいい。
政治的な背景にあまり興味を持てないお子ちゃまですので、ジーナさんという「幼稚園の先生」によって守られた「ごっこ」遊びが心地よく感じるのかもしれないなあ、と本書を読んで思いました。
ところで本書中、そこかしこで「なぜ豚なのか?」、が問題視されているのですが、それってそんなに大事なことなのか疑問です。
少なくとも映像だけ見ている限り、豚の要素なんて鼻くらいなもので、あとは食事場面なんかでちらりと耳が出ているくらいではなかったかしら。(と思ったら本書の表紙にはでかでかと豚の耳が出てましたが。)
肌の色だって人間様と大差ないですから、わざわざ「豚だ」と宣言されていなければ、ちょいとばかり恰幅のいい中年男でしかないように思います。
むしろ特徴的なのは、サングラスやゴーグルを常にかけているために、ポルコさんの目(瞳)が見えないことではないかと思います。
ジブリ作品、宮崎駿作品ではわりかし目で感情を表現する描写が多いと思うのですが、ポルコさんに限ってはそれがほとんど観客(視聴者)にはわからない。
というあたりに、何か表現的な意味合いがあるのかな〜、と思っていたのですが、本書内では言及されていなかったと思います。(読み落としていなければ。)
いんたねっとの海ならどこかにはそんな言説もあるのかしら。
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- 作者: スタジオジブリ,文春文庫編集部
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