風の万里 黎明の空(上) 感想

小野不由美「風の万里 黎明の空(上) 十二国記」、講談社文庫

慶の国王となった陽子さんと、海客・鈴さん、芳の公主さま、という3人の視点から、お話が紡がれます。

言葉がわからずに、言葉がわかるようになりたいがために、仙となった鈴さんは、その境遇を嘆き、新しく立ったという景王に憧れます。
芳の公主さま・祥瓊さんは、父王を弑殺され、位を簒奪されて平民に身を落とし、同じ年くらいだという新景王を逆恨みします。

そうして、鈴さんも祥瓊さんも、景王に会おうと旅立ちます。
一方の景王・陽子さんは、自らの無知を知り、平民の生活をしようと画策します。
そうして見えてくるのは、十二国の成立ちと、その構造的な歪みです。

慶の国は乱れ、荒れています。
そんな国を陽子さんは立て直すことができるのか。
正論をまっすぐに言う少年・清秀と出会う鈴さん。
陽子さんの命の恩人・楽俊さんと出会う祥瓊さん。
はたして景王陽子さんと巡り逢うことはできるのでしょうか。

どきどきはらはらな展開です。