小野不由美「月の影 影の海(下)十二国記」(講談社文庫)を読みました。
不思議な異世界へと迷い込んだ女子高校生の中嶋陽子さんは、散々に追い詰められた果てに、楽俊と名乗る半獣のネズミさんに拾われます。
楽俊さんのおかげで一命をとりとめた陽子さんは、巧国から逃れて、雁国へと向かいます。
そこで知ることになる、陽子さんに課せられたとてつもなく大きな重責。
いやあ、びっくりしました。
まさかそんな高貴なお方だったとは。
そんなわけで、陽子さんは、新たな戦場へと踏み出していきます。
それにしても、ケイキさんはヘタレですね。
あんなにもあっさりと囚われの身になっているなんてまるでお姫様みたいです。
どこかの黒子なランサーさんかとも思えてきます。
傾国は必ずしも女性とは限らないってことでしょうか。
天の意思で麒麟が配されているのだとしたら、天啓も大したことなさそうに思えてしまいます。
十二国の世界における、王様の絶対的な権力は、その特権構造こそが、国の腐敗を生じる遠因となっているのではないかしら。
などとつらつらと考えてしまうのでした。