宮野ともちか「ゆびさきミルクティー」8、9巻、(白泉社)

(聞くところによると)3年ぶり(?)に連載も再開されたらしい、問題作の、復活刊行です。

いやもう、あいかわらずひどい作品ですな。(誉めている意味でも、そうでない意味でも)

なんともドリームな、いわゆるハーレムもののような展開ちっくで、
周りの女子男子問わず引っ張りだこな主人公くんなのですが、
その主人公くんが女装趣味に加えて、女装した自分が好き好きなナルシストさんなおかげで、
ずいぶんと過激な進展がありつつも、
なんだかんだで、一線は、ぎりぎりのところで踏み止どまっているような状態だったりして、
なんというか、残酷な部分もかなりあるような気がしつつも、
淡々としたような描写のおかげか、あまり重苦しくなるわけでもなく、
不思議と魅き込まれてしまうのでした。

なんというか、「放浪息子」の二鳥くんの将来が心配になるまんがです。

よく言われることで、作中でも言及されていますけれども、
女装男子は男子視点で見ると理想の具現だって話がありまして、
ひばりくんの昔から、最近ではプラナスガールまで、女子の人以上に女性らしいというか、
まぁそもそも女性らしさって何ぞやって話は省略しますけれども、
そんなドリームな作品もありますが、

このゆびさきミルクティーの主人公くんは、男子の部分と女装している部分との葛藤というか、いろいろと複雑で個人的で生理的な事情も織り交ぜつつ、
なんだかもう、ぐちゃぐちゃのぐっちょんぐっちょんになっていったりなんかして。

いやぁ、ひどい。
(大事なことなわけでもないけど、二回言ってみたりして。)


えーと、主人公くんが、男性性と女性性の両面を持ち合わせているおかげで、必要以上に男性性に嫌悪感を抱かずに済むとかそんな感じなのかしら?