チョコリエッタ 感想

映画「チョコリエッタ」を観ました。

原作未読。

菅田将暉さん、ほんとにいろんな場面で活躍なさってて、すごいなー、みたいな。

もはや「フィリップくん」の人ではないのだなあ、と感慨深くなってしまったり。

映画としては、ちょっと退屈というか、テンポの遅さに焦れったくなってしまったのですが、これは直前に観た別作品のテンポと勢いと迫力が凄まじかったからで、ぼくの気持ちの切り替えがうまくできていなかったせいだろうと思います。

とある事情で「犬」になりたいというヒロインさん(チヨコさん、愛称・チョコリエッタさん)のお話なのですが、
チョコリエッタさんがまあ、わがままというか、めんどくさい感じ。

いかにも学生さんらしい未熟さとでもいいましょうか。

ベリーショートの髪型(後頭部の形が綺麗)とか、だぶだぶなツナギを着たときのぶかぶかな感じが逆に身体の華奢さを強調していたりとか。

ちっちゃい、か弱い感じ。

先輩役である菅田将暉さんは面倒見がいいなあ、とか。

映研所属らしくビデオカメラを持ち歩いて撮影していることが多くて、時折、その劇中人物のカメラで撮影した映像も挿入されたりして、不思議な入れ子構造になっているのはおもしろいです。

一昔前だと、家庭用のビデオカメラは画質が粗くて一目で違うことがわかったものですが、最近の機種の性能が高いのか地の場面と遜色なくて、手ブレみたいな要素くらいしか手撮りっぽさを感じられないのは、良し悪しかもしれません。



それにしても、夏休みが終わったら謎の先輩が撮影した同級生主演のDVDが届いていたというのは、信じて送り出した彼女が……、的な、えろまんが分野でのテンプレート風味ですらあります。

ぞくぞくするねぇ。


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お話の本筋とは別に、劇中世界はなんだか大変なことになってるっぽいのが、わりと興味深くて。

学校の教室に「国防隊員募集」みたいなポスターが掲示されていたり、街頭の政党ポスターも何やら不穏だったり、衛星写真的な地図にモザイクがかかっていたり、道路が所々傷んでいたり。

少しばかり意識が朦朧としていて、もしかしたら説明があったのかもしれませんが、説明が無かったのではないかという気もします。

世界の危機と登場人物たちとが直結するのが「セカイ系」と称されるのとは対極で、
世界が危機に瀕しても青少年のちっぽけな悩みは普遍的、みたいなお話だったのかなあ、と想像する次第。