舞妓はレディ

映画「舞妓はレディ」を観ました。

マイフェアレディ未見。

舞妓さんを目指して京都へ出てきた鹿児島弁と津軽弁バイリンガルな娘さんを描くミュージカル。

急に歌い出しますが、意外にお話の中になじんでいてけっこう心地よいです。

「京都の雨は盆地に降る」という言い回しにも京ことばならではの裏があるのかと思っていましたが、どうやら「マイフェアレディ」からの引用なのですね。

こういうところがわからないから教養が足りないと困ります。

舞妓さんと芸妓さんの違いも知らない素人でしたので、そういった初歩的なところからさりげなく教えてもらえるのでありがたかったです。

格式高い世界ですなあ。

普段、着物姿のお姉さん方が、日常ではフツーに洋服を着ているのが、なんだか新鮮に見えました。

いつでも着物を着ているものだという思い込みみたいなものがあったみたいです。

舞妓さん芸妓さんの世界がただきらきらと綺麗できらびやかなだけでなく、単なる客寄せの水商売にすぎない、という冷静な視点も挿入されるのも好感触。

あの純朴なヒロインさんが、これから世間の荒波にもまれて泥沼に沈んでいくかと思うと、どきどきわくわくしますね。

それを見守るのもまた、まさしく愉悦なのでありましょう。

先生が使っていた「正しい京ことば解析ソフト」みたいなのがありましたが、あの波形の高低が何を示しているのかよくわかりませんでした。

何をもって「正しい」と判定しているんじゃろか。

劇中で先生ご本人も、地元京都の人ですら使うことばは人それぞれ、と言っていたのに。

不思議です。

ヒロインさんの上達が目に見える形でわかる、というのが作劇上とても便利だというのはわかりますけれども。

そんなこんなで、京、薩摩、津軽、江戸、といろんなことばがあるものよなあ、と思うのでした。



それにしても、舞妓さんの見世上げというのは案外地味なものですね。

某道中みたいにど派手に飾るものかと思ってました。

地味さをミュージカルの派手派手しさでカバーしていたのかもしれません。

お堅そうな踊りのお師匠さんまで踊り出したのは楽しかったです。