あの商店街の、本屋の、小さな奥さんのお話。 感想

高橋しん「あの商店街の、本屋の、小さな奥さんのお話。」、白泉社

本屋さんの寡婦さんのお話。

戦後少しの町中の小さな本屋さんを、旦那さんを亡くした奥さんが切り盛りします。
何もわからないところから創意工夫をこらして、商店街の皆さんに助けられながらやりくりしていきます。

本屋さんの経営というのはほんとたいへんそうです。

作中、お客様別に本棚を並び替える、ということをやらかします。
たしかに、顧客の好みを把握して嗜好に合った本を勧められるというのは、常連客に向けてはひとつの手なのかもしれません。
が、作中でも問題になっているように、どの棚が誰のものかわかってしまうのはよろしくありません。
そういうのはあまぞんさんなんかのほうがよほど優位でありましょう。

一方で自分の本棚を晒してみたいという願望も少なからずあります。
読書メーターさんみたいなSNSも重宝されるわけです。

巻末に作者さんと書店員さんたちによる座談会も掲載されていますが、ネット通販が話題になっていないのは不思議な感じ。
危機感無いのかしら。