はやぶさ 遥かなる帰還 感想

映画「はやぶさ 遥かなる帰還」を観ました。

みんな大好きはやぶさたんのお話です。

昨年夏の「はやぶさ/HAYABUSA」では、竹内結子さん扮する宇宙研究者の女性が語り部として設定されていましたが、
本作では、新聞記者さんだったり、さびれた町工場の社長さんだったり、はやぶさたんの主推進力であるイオンエンジンを共同開発したメーカーの担当者さんだったり、もちろんプロジェクトリーダーである川口さんがモデルであろうケン・ワタナベさんであったりと、様々な人の視点から描かれています。

「のぞみ」の火星探索未遂も暗く影を落とします。

あと、印象的だったのは、夏の「HAYABUSA」では、こんなこともあろうかと!、的な起死回生の一手が、
実ははやぶさたん全損の危険性をはらんだいちかばちかの苦し紛れの手段であったということ。

「HAYABUSA」では打ち上げ前の開発段階から描写されてしっかりと布石を敷いていたのに対して、
本作ではオープニングを含めて内部の電気回路を直接見せることで、逆転のダイオードの存在を明示しています。

目的のためには手段を選ばない研究者と、実利を求める企業側との対立も、いろいろと考えさせられます。

はやぶさたんの最期のお仕事、地球の写真撮影はちょっぴりあっさり風味だったような気がします。

あの、最後の力をふり絞ったかのような写真こそ、はやぶさたんの真髄かと思うのですが違うのかしら。