横浜開国博Y150

横浜開国博Y150へ行ってきました

横浜開港150周年を記念したお祭りなのですが、目玉となっているのは、何故か、大蜘蛛です。

フランスのパフォーマンス集団「ラ・マシン」の手によるもので、滑らかな木製の外骨格を備えた巨大な蜘蛛の形の機械が、会場内を所狭しと動き回ります。

ぼくは未だに攻殻機動隊の映像を観ていないのですが、磯光雄さんが蜘蛛を参考に多脚機械の動画を描いていた、なんて伝説もありますし、きっとこんな感じなのだろうと思います。

脚二本につき一人の操縦者という極めてアナログな運転で、駆動も油圧と思われるシリンダ方式で、ガッシャンガッシャンと荒っぽい軌道で動くので、
脚単体で見ると、精密なマニピュレータというよりもむしろ、工事現場のショベルカーと大差ないように思えます。

工学的に洗練された「ロボット」であれば、おそらくはもっと無駄なく滑らかな動作をさせることもできるのでしょうけども、
この、人間が操縦する、粗削りで武骨な「重機」は、だからこその荒々しさが生々しい迫力となって観客を魅了しているのではないかと思うのでした。


まぁ、それはそれとして、蜘蛛の頭の上にも操縦席があるのですが、そこに座っているのが女性の操縦士さんでして、王蟲を御するナウシカさんだとか、パトレイバーの泉野明さんだとかを想起するようで、かっこよかったです。

そういえば、巨大蜘蛛の脚がうにょうにょ動いている様子は、王蟲の脚にも近いかもしれません。


あとは、燃料電池がどうこうとか、電気自転車がいよいよ実用化するだとかいった展示もありつつ、といった感じでしょうか。

アニメ映画らしいものも上映していたみたいでしたけど、待ち時間が長そうだったので回避してしまいました。


で、帰路、横浜美術館も割引きになるとのことだったので、ふらっと寄ってみたところ、
金氏徹平さんの「溶け出す都市、空白の森」という展示をやっていました。

プラスチックなどの日用雑貨を組み上げた構造物に石膏を流して、構造物がドロドロに溶けているようなオブジェだったり、
地図やら何かのイラストみたいなものやらをコラージュしておかしな連鎖を構築してみたり、
森とか木の写真にコラージュしてみたり、
木の断片を配管部材みたいなもので接合してみたり、
インパクトはあるものの、これといってどうこうということもないような感じでした。

個人的におもしろかったのは、いわゆる美少女フィギュアの髪の毛部分だけを貼り合わせたようなカツラの化け物みたいな人形で、
キュアドリームさんだとかセーラームーンさんだとか特徴のわかりやすい髪の毛まで混ざっていて、ニヤニヤものだったわけですが、
これも、だからといって、なんなんだろう、みたいな感じで、
こういうものを作品だと言い張ることのできる度胸だとか説得力だとかいったものは、やはり才能というか能力なんだろうな〜、とか思うのでした。