美しい星 感想

映画「美しい星」を観ました。
6月3日、TOHOシネマズ川崎にて。
原作未読。

気象予報士である父親は火星人、自転車乗りのメッセンジャーな長男は水星人、大学生の長女は金星人。な宇宙惑星連合家族のお話。

設定だけ見るとどこのラノベだよというか、ラノベにしてもちょっと盛り過ぎじゃないかと思ってしまいますけれども、そんな設定でありながらいろんな社会問題が諸々含まれていて、すごく賢くなれそう。
原作を読んでないですが、どのくらいアレンジされているのかしら。三島由紀夫が存命の頃から気象予報士とかテレビのワイドショー的なニュース番組とか一般的だったのかしら。


火星

芸能人の人が急に環境問題にかぶれて政治活動に力を入れ始めちゃう的なものなのかしら。
それにしてもあんなめちゃくちゃな言動を生放送でやらかしておきながら、おもしろがって咎めもせずに起用し続けるテレビ局の上層部の肝っ玉はすごいと思いましたし、そのくせ政治家先生の不興を買ってしまうやあっさりとお役御免にしちゃうの判断の速さもすごいし、不祥事で解雇となっても番組で謝罪の場を用意しようとする姿勢もすごい。
ネットのニュースをぼんやりなんとなく見ている範囲だと、テレビ番組のレギュラー出演者が不祥事をやらかすと、釈明の場も無いままに降板、人員交代にさせられちゃってそうなイメージ。実際には何かしらのアナウンスくらいはあったのかもしれませんけれども。


金星

金星のテーマ曲、平沢進さんの曲だったんですね。バリバリのノリノリでトランスって感じですごくかっこいい場面でした。
その一方で、2機のUFOとおぼしい光点がじゃらけあうように飛び交っていたり、二人の動きが次第に重なり合っていくような演出だったりが、後から思えばとても示唆的だったようにも思います。

これを書きながら今さら気がつきましたけど、金星と金沢で金つながりだったんですね。


水星

正直にいえば、水星の人たちのスタンスというか目的が、いまいちわかりにくかったというか、火星の人が比較的シンプルにわかりやすい存在だったのに対して、水星の人たちはもう少し高位というか、広い視野を持っていたように見えました。
短絡的に不安を煽るような表面的な方法ではなくて、政治家を動かして国政レベルでの謀略を張り巡らせようとしていたように見えました。
それによってどういう世界、社会にしていこうとしていたのかまでは、ぼくの脳みその理解が追いついていなかったみたいです。


地球

物語の中心となる4人家族のうち、母親の人だけは宇宙惑星連合には目覚めていなかったように見受けられました。
が、どちらかというと宇宙船地球号的な方面の感覚に目覚めていたのかもしれません。

ミネラルウォーター周りのあれやらこれやらといった効能に対して、必ずしも科学的に判明しているものだけが絶対ではなくて、何かしら未知の要素が存在する可能性を否定できるわけでもないでしょうけれども、だからといって、あからさまに虚偽となるとなんというか、救いが無い感じ。

信仰によって救われる場合もあるのであれば、せめて騙し続けるだけ騙し続けて、嘘だったなんてネタばらしはしないでおいてくれればいいのに。
信じたものに裏切られるのはつらすぎます。


余談

MX4Dのシアターでした。
座席が動いたりはしないものの、通常のシアターよりも座席が広くてゆったりしている感じで、ちょっと贅沢な気持ちでした。