映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年 感想

映画「映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年」を観ました。

外国の小学生6人が花輪くんの招待でホームステイにやってくる、というお話。
アメリカ、ブラジル、ハワイ、香港、インド、イタリア。
どういう基準で選ばれたのか、いまひとつわかりません。
ハワイはアメリカじゃないのかよ、とか、もしかしたら時代的には香港返還前なのかしら、とか。

今どき珍しいほどに類型的な外国人描写のように感じたり、
そもそもせっかくの6人ものキャラクターを描ききれていないように感じたり、
1本の映画に収めるには欲張りすぎだったのではないかとすら思えました。

イタリアのアンドレアくんとまる子さんとの交流は良かったので、アンドレアくん1人に絞ってしまってもよかったのではないかと思ってしまいます。

一泊の遠出したときに京都組と大阪組に分かれたのは、さすがにホームステイ組6人+ホスト側6人+引率の大人がいっぺんに行動するとなると人数が多くなりすぎて収集つかなくなるからでしょうけれども、京都組は行っただけみたいな扱いでしたし。
いや、外国の人が日本へ遊びに来てどこへ行くかとなったらとりあえず京都という選択は無難かもしれませんし、京都を避けて大阪だけという選択だったら不自然さを感じたかもしれません。
メインはあくまでも京都旅行で、アンドレアくんはたまたま個人的な事情で大阪へ、ということなのかしら。
大阪組では、ハワイの大食らいくんもいろんな場面で食い道楽していて目立っていましたし、野口さんと組むことになったブラジルさんも野口さんと良いコンビでした。
なんば花月の芸人さんは、ご本人だったのかしら。間寛平さんくらいしかわかりませんでしたけれども。

京都組では、香港さんとたまちゃんさんとの百合百合感がなんだか微笑ましかったり。たまちゃんさんのパパさんは上級者ですね。
インドくんとアメリカくんはあんまり目立つような活躍は、ちょっと思い当たりません。インドくんの財布のエピソードもいまいちよくわからず。日本人みんな良い人、みたいな描写だったのかしら。よくわかりません。

大阪組の話に戻ると、大阪の街の人たちの人の善さに驚きます。劇中でまる子さんや友蔵お祖父さんも驚いていましたけれども、逆にうさんくさくて警戒したくなるくらいの人の善さ。
なんというか、世知辛い世俗にまみれて他人を疑ってしまうような薄汚れた大人に自分がなってしまったことを痛感します。

そうそう、本作では友蔵お祖父さんがめちゃめちゃ頼もしいです。
友蔵お祖父さんは安請け合いしがちで厄介ごとを引き受けがちなイメージがあったのですが、その(悪く言えば)軽はずみなところが、本作においては積極的な行動力となって、問題解決のための駆動力になっていたように感じます。
見知らぬ土地で訪ね歩くにはまず交番、という発想はぼくの知識の中には無かったので新鮮でした。

灯籠流しは心温まる場面だろうと思うのですが、「蒼穹のファフナー」の印象が強いおかげでなんだかもの悲しい場面であるかのように思えてしまいました。

永沢くんと藤井くん、仲良いですよね。
藤井くんの「ホームステイに来てもらうならよくわからない男子よりもかわいい女の子がいい」という身も蓋もない正直な感想が、好印象でした。