DENKI GROOVE THE MOVIE? 〜石野卓球とピエール瀧〜 感想

映画「DENKI GROOVE THE MOVIE? 〜石野卓球ピエール瀧〜」を観ました。(12月26日観賞分)

電気グルーヴ結成25周年だか26周年だかの軌跡を振り返るドキュメンタリーです。

特徴的なのは本人たちのインタビューみたいな発言はほとんど無いことでしょうか。
周囲の関係者(元メンバー含む)の証言だけで構成されています。
本人不在の欠席裁判みたいにも見えますが、ほとんどがお二人をほめ殺そうとばかりに絶賛の嵐で、本人が自分から「俺が俺が」とアピールするわけではなくて、御輿を担いでる人たちがわっしょいわっしょいと囃したてているような感じかもしれません。

電気グルーヴお二人の映像は、大半がライブの映像でした。
25周年のライブを基調に、デビュー当時からのいろんな場面での映像を寄せ集めたみたいになっています。
こんな映像がよくまあ残ってたものだなあ、と思うものもチラホラ。映像記録というのは時間を超越するタイムマシンみたいなものなのかもしれません。

まったくの余談なのですが、先日の『Wake Up, Girls BtB』で感じたもの足りなさを、本作ではまったく感じませんでした。
ライブパフォーマンスをこれでもかと見せつけてくれました。
ステージ上の電気グルーヴのパフォーマンスと、観客の盛り上がる熱気と、その一体感が凄まじくて、その場に自分もいるかのような臨場感を味わえました。

ライブの映像にはやはりこれだけの力があるんです。
言葉で物語を紡ぐのも、ステージの外でのレッスンや地道な販促活動を描くのもいいのですが、やはり、その集大成としてのステージパフォーマンスは、言葉以上に「その人そのもの」をくっきりと浮かび上がらせるように見えます。
WUG ちゃんの場合は中の人のパフォーマンスを見てね〜、ということなのかもしれませんけれども。

閑話休題

そんなわけで、電気グルーヴさんのステージパフォーマンス、圧巻でした。
舞台裏なんかが映るとわりと普通のおじさんっぽいくらいなのに、ステージの上だとめちゃめちゃかっこいいのですね。

ライブの映像とは別に、ディスコグラフィーというのでしょうか、発売されたCD の紹介やミュージックビデオの映像も挿入されてたり。

CD のジャケット、かっこいいです。
ジャケット単体でもかっこいいのですが、そのジャケットは全体の一部分だけをトリミングしたみたいな、ジャケットの模様を拡張したような映像になっていて、かっこよく感じました。

ぼく自身は電気グルーヴの熱心なファンというわけではなくて、むしろあまり知らないほうだとは思いますが、それでも『Shangri-La』は知っていますし、『N.O.』の「学校ないし 家庭もないし……」の部分も聞き覚えがあります。
ニコマス*1経由で「フッジッサーン」とかも聞いたことありました。

その『Shangri-La』が1997年頃だとか。
月日の流れはあっという間ですね。

日本を飛びだしてヨーロッパでも活動していたとの由。

世界を股に掛ける姿はなんとなく『EDEN/エデン』と重なるような気がします。

そして巡り巡って、25周年ライブ。
昔の映像を振り返って細マッチョな肉体を見てきたので、現在のがっしりと恰幅のよくなったお二人の姿にも時の流れを感じるような気がします。

声も昔と比べるとずいぶん低くなったように感じる気がしたり。

物販ではパンフレットと、セレクションCD なるものを購入しました。

こういう楽曲の流れとかつながりを無視したベスト版みたいなのは失礼なのではないかとも思いますが、映画の中で流れた楽曲をまとめて聞くことができるのはありがたいものです。

そういえば、ドキュメンタリー映画なのでナレーションも付いているのですが、なぜか英語のナレーションで、日本語字幕を読む形式です。
たしかに日本語でナレーションを入れても葉加瀬太郎さんのバイオリンが流れる番組っぽくなってしまうかもしれないので、案外良い選択なのかもしれません。
ただ、英語のナレーションだと、嘘字幕を疑ってしまうかもしれず、英語がわかる人には字幕とのビミョーなズレがおもしろいみたいな小ネタがあるんじゃなかろうか、とか思ってしまったり。

そんなこんなで、ライブってすごいなー、と思いました。