何者 感想

映画「何者」を観ました。
10月21日、シネマサンシャイン沼津にて。
原作未読。

就職活動のお話。


3行で

・就職活動がほんとにただ企業に就職するためだけのものであるかのように描かれていて、それでいいのか心配になる

・ついったーこわい。

・演劇すごい。あれだけの質でも酷評されてしまう演劇業界すごい。


以下、個別に。

就職活動

今の就職活動ってたいへんそうだなーとは思います。

あまり大企業を受けてない(エントリーの時点で落選してた)のでグループディスカッションみたいなのをやったことないんですよね。
就活とは別の場面で少しやったことはありますけど、合否なんかを気にせずにのびのびできると案外楽しかったりするんですけど、あんな場面ではそんな余裕を持てなさそう。

面接も大人数で並んでというのはあんまり記憶にないかも。
横を意識させられるのはイヤかも。
面接自体もあんまり受けたくないものですし。



あと、就活自体がたいへんというだけじゃなくて、一緒にがんばろーってグループ組んじゃったのがいけないのではないかなあとも思ったり。

いけないといってもそもそもルームシェアで他人と同居するのが苦にならない程度には人付き合いが上手な人たちみたいだったので、ああやってグループ組みましょうという流れになるのは自然なのかしら。

友達の友達みたいなビミョーな距離感もあって、変に気を遣ったり見栄張ったり牽制したり。
個人的にはああいう人付き合いのほうがたいへんそうに思ってしまいます。

有村架純さんみたいに「みんなすごいねー」って言ってるだけのポジションになりたい。



採用する側も応募者があんなに萎縮しておそらく本来のパフォーマンスを発揮できてないのが丸わかりな中から選抜しなくちゃいけないってたいへんそう。
応募者が多いところならそんな中でもパフォーマンス発揮できる人を採用すればいいということなのかしら。


ついったーこわい

とりあえずメールアドレスから検索できるようにする設定は外してあったのでひと安心。
大企業勤めの人で個人のついったーアカウント持ってるような人がメールアドレスと紐付いたままにしているものなのかしら。
表向きの安全なアカウントなのかもしれませんけど、それなら余計に仕事の内容とか交友関係なんてオープンにはしなさそうに思えますけれども。
劇中でも出てきたような交友関係アピールのためのアカウントという可能もあるのか。

マンガアニメ関係者ばかりフォローしているようなタイムラインとは見えてる世界が全然違うのかもしれません。



PCやスマホの検索履歴の危険性をこんなにわかりやすく見せてくれたのは大切なのかも。
特に他人が触りそうな場合は気をつけましょう。

とはいえ、
A「ケータイ見当たらないから電話掛けて鳴らしてみてくれない?」
B「Aの番号知らない」
A「じゃあ自分で掛けるから電話貸して」
という流れはAさんが強引というかBさんが迂闊というか。
番号聞いてBさんが掛ければよかったのに。


演劇

やっぱり演劇って楽しそう。
学生に毛が生えたくらいの人が立ち上げたばっかりの劇団であれだけのことができていて、しかも毎月公演していて、それでもあんなに酷評されてしまう世界。
どれだけ演劇界のレベル高いんだろう。



という面がある一方で、映画のストーリーと演劇(劇中劇)とがオーバーラップしていく演出が、すごくおもしろいなあと思いました。

予告編でも使われていた、アパートを輪切りにしたような断面図のような舞台装置を使った演出とか、楽しい。
これもまた「劇中劇」の部分と本筋のストーリー部分とが交錯するようになっていて、おもしろい仕掛けでした。
輪るピングドラムみたいに主要な登場人物以外は書き割りみたいになってたり。



テレビドラマや映画のような映像作品に触れる機会が多いのに比べると、舞台演劇に触れる機会というのは少ないのかもしれません。
劇中ではミュージカルを日本でもっと売り出すにはどうすればいいかみたいなお題がグループディスカッションで扱われていました。

宝塚だったり劇団四季だったり2.5次元だったり、あるいは能や歌舞伎かもしれないし、場合によっては落語とか吉本あたりも広義では舞台演劇なのかも。
そういったものに触れる機会の多い人もいるのでしょうけれども、触れない人は触れる機会がないままということもありそうで。

自分の場合は、小さい頃に着ぐるみ劇みたいなの(デパートの屋上ではなくて県民ホールかどこかのちゃんとしたステージだったはず)に連れて行ってもらった記憶はあるのですが、そのくらいで。
あとは学校の文化祭とか演劇祭みたいなものくらい。
学校の文化祭や演劇祭での演劇だと、そこまで凝った演出はなかなか無い気がします。
演劇部に力があればまた違ったのかもですがそういう様子もなく。
台本だけ渡されてお手本も無いままなんとなくやってましたけど、取り組む前に実際の舞台を見る機会があればよかったのになーと今になって思ってしまいました。
反面、具体的な事例を見せられてしまったらそのマネをしようとするだけかもしれないし、指導する先生方の負担も激増しそうだし、やっぱりたいへんなのかもしれません。


犬と魔法のファンタジー

「何者」の原作のほうが刊行日はやかったんですね。


エンディング主題歌好き。
予告編の映像も好き。


「青春が終わる」
「人生が始まる」
というコピーが使われていましたけれども、終わる以前に青春が始まってもいないので、人生はまだまだこれからに違いない。