Wake Up, Girls! Beyond the Bottom 感想

映画「Wake Up, Girls! Beyond the Bottom」を観ました。(12月19日観賞分)

これまでの集大成という感じでものすごく濃密な時間でした。

WUGだけでなくI-1もなまはげーずも、最高です。
とくにI-1クラブは前編のセンター争いからさらに踏み込んでいきました。
後から振り返るとWUG の一部のメンバーよりも扱いが大きかったのではないかと思ってしまうくらいに、I-1クラブとまゆしぃの話の比重が大きかったのかもしれません。
だからこそ、終盤の盛り上がりがよりいっそう熱くなったとも感じられます。

お話というか、ストーリーというか、あらすじというか、物語の展開自体には文句はありません。
『アイドルの祭典』という目標に向かっての友情・努力・勝利(?、結果は伏せます)。立派な熱血根性の王道パターンです。
小説のような文字媒体で読むのであれば、これでも充分だったかもしれません。

ですが、本作は映画、映像作品です。
欲を言えばライブのパフォーマンスを丸々見たかったのです。

歌に合わせて過程をダイジェストに見せていく手法があることはわかりますし、全国行脚をいちいち細々と描写するわけにもいかないでしょうから、あのような形になるのも必然だろうとは思います。
けれども、やはりアイドルの本領はライブパフォーマンスだろうとも思うのです。
少しクドくなろうとも、もう少し長く彼女たちのライブパフォーマンスを見たかったのです。

前編での東京へ繰り出しての奮闘を経て、仙台で地盤を固める再スタートに臨む場面。
劇中の描写としても『七人のアイドル』でのあのデビューステージと重ね合わせるような演出で、よっぴーの緊張して噛んでしまうような初々しかった挨拶から、現在ではすっかり落ち着いて頼もしさすら感じられる成長ぶりも表現されていたわけで、あれを見たからには続けてのステージパフォーマンスでも成長したWUG の姿を見ることができるのではないかと期待してしまいました。
もしかしたらあそこで一曲分のパフォーマンスを挿入してしまったらテンポが悪くなっていたかもしれません。
今回の後編『Beyond the Bottom』は全体的にテンポがはやくてポンポンと場面を切り替えていくような軽快さも特色だったかと思います。一般的な映画であればそれもまた演出手法なのかもしれません。
ですが、アイドル映画だと思って見に行った観客の一人としては、もう少しステージパフォーマンスを見たかったなー、とも思ってしまいます。あくまでも一ファンとしての個人的なワガママです。

『アイドルの祭典』が実質的にI-1クラブの同窓会っぽくなっていたのも、アイドル戦国時代と謳われながらも実態はほぼ1強独占のような現在の反映なのかなあ、などとぼんやり思いつつ。
白木さんと早坂さんの会話にもなんだかじーんときたりしてました。
社長の昔話も含めて。

最後に結末を明示していたのも、あれでよかったのか、見せないでおいて欲しかったのか、ぼくの中の二人の自分が争っていて結論は出ていません。