バケモノの子 感想

映画「バケモノの子」を観ました。

これはもう惜しみなく手放しに大絶賛いたしたく。
素晴らしいです。

熊徹さんと九太さんとの師弟関係を中心に、いわゆる「社会」から少し外れたような人たちの生き様が描かれているように思います。

一郎彦さんの立ち位置とか、いたたまれません。

重要なモチーフとして『白鯨』が出てきますけど、残念ながらよく知らないので割愛します。

おおかみこどもの雨と雪』の続きだという見方もできるでしょう。
九太さんの姿が、山で生きることを選んだ雨さんのその後のようにも見えます。
同時に、九太さんが『おおかみこども』の両親の出会いを繰り返しているようでもあったりします。
なんか不思議な感覚。

九太さんと一郎彦さんとの対比というかシャドウっぽさが、たまりません。
欲を言えばもう少し九太さんと一郎彦さんとの絡みが見たかった気もしますけど、そこまでしたらまあ欲張りすぎでしょうか。

脚本と言えばいいのか、構成かプロットか、わかりませんけれども、前振りとして提示されたキーワードが終盤でかっちりと大事なところにおさまる心地よさ。

予定調和かもしれませんけれども、そういう様式美というのはやはり綺麗に決まると気持ちよいものです。

売店の混雑がものすごくてパンフレットを買えていませんが、スタッフロールを見た感じでは(元)スタジオジブリの方々も大勢参加なさっているみたいで、実質的にジブリ作品と言ってもいいのではないかしら(暴言)

ここまで書いてみて、この映画の中で何をどのように「素晴らしい」と感じたのかをほとんど説明できていませんけれども、なんというか、ちょっと言葉にしにくい感覚的な領域での、いわゆる「感動」だったので、どうにもなりません。

薄っぺらく「感動しました☆」とか書きたくなる勢いです。