ちはやふる 7巻

末次由紀ちはやふる」7巻(講談社)を読みました

いやぁ、今巻も熱い。


個人的に熱かったのは、「小6のスピードスター」立川梨理華戦です。

前巻で、得意にしていた「速く取ること」を禁じられた千早さんが、
同じく速さ・身軽さを武器としついる相手と対戦するわけことで、
突き付けられた課題をぐぐっと乗り越えていきます。

前巻では金井桜さんに翻弄されるがままだった千早さんが、一転して蹂躙する立場になることで描き出される、対比と継承の様子に、ぐっときます。



金井桜さんにしても、立川梨理華さんにしても、最後に出てきた山本由美さんにしても、
千早さんの対戦相手は実に魅力的です。

しかも、個々のドラマがしっかりずっしりと重みがあるのに加えて、
確実に、最終目標であろう現クイーン・若宮詩暢さんへの布石になっている(と思われる)あたりが、なんともたまりません。

千早さんの成長を描くと同時に、ラスボス・詩暢さんの強大さをも浮かび上がらせるような。

この、着実に登り詰めていくような高揚感、緊張感が、ほとんどずっと途切れないのが、
この作品の魅力なのかもしれません。

それにしても、もちもちのゆうわくな詩暢さんは、たいへん愛らしくて素晴らしいですね。



さて、もう一方で、太一くんと新くんの再会やら、いよいよ満を持しての名人登場やら、男子側にも動きがありつつも、まぁ、それはそれとして。

あ、詩暢さんと新くんとの間にも因縁があるのかしら?



そんなこんなで大盛り上がりで大満足な7巻でしたが、
表紙の奏さんは前巻のほうがよかったのではないかしら、なんて余計なことを思ったり。