咲-Saki- (実写版) 感想

映画「咲-Saki-」を観ました。
2月4日、TOHOシネマズ川崎にて。
実写版。
原作既読。


舞台挨拶

上映後に出演者の舞台挨拶がありました。(咲さん、久部長、かじゅきさん、鶴賀のメガネの人)

咲さんの人の挨拶で「カン!」って言ったときに客席の反応が薄くて司会の人が「今のは完結完了の完と、麻雀のカン(咲さんの得意技)とを掛けてたんですねー」とか解説してたのも微笑ましい感じでした。
司会やってたあの赤いジャンパーの人、何かの有名人なのかしら。

最後に写真撮影もあって、後ろのほうまで入りますよ〜とは言われていたものの、ほんとに後ろの後ろの席だったんで写りやしないだろうと思ってたら、公式にアップされた写真にそれっぽい頭が写ってて驚きました。
自分でもこれかな〜くらいの感じでしかないので他の人が見てもわからないでしょうから安心ですが。

こちらから壇上の人たちもこの程度にしか見えなくて登壇者さんたちの顔も判別しにくい感じだったので、舞台挨拶慣れしてそうな屈強なファンの人たちが前の方の座席を占拠してたのには納得でした。
映画は後ろの方で見たいけど登壇者さんたちも見たいという場合は事前に登壇者さんたちがどこから出てくるのかという通路を確認しておくのもいいのかもしれません。


本編

映画本編も、マンガ原作の実写化として素直によくできた作品だったと思います。

原作自体がとてもおもしろい(個人的な主観)であるのは大前提としてありますが、その原作の魅力が遺憾なく発揮されていたように思います。

作品の発表形態も工夫されていて、まずテレビ放送(Amazonプライムでも配信)で導入部となる入部〜和解して団結の流れとか対戦することになる他校の紹介を済ませておいて、映画ではクライマックスとなる県予選大会決勝だけを丸々通してやりきっています。

アニメ版もとても良い作品なのですが、1話30分弱(正味20分程度)に分割されると、どうしてもそこで流れや気持ちの区切りのようなものができてしまいますが、映画という形式ならば途切れることなく、一連の流れが大きなうねりとなって押し寄せてくる感覚とでもいいましょうか。
雑誌の連載で1話毎に読むのと、単行本でまとめて読むのとの違い、それも単行本1巻だけでなく複数巻を一気に読むような感覚に近いと思います。



同じような手法だったのが信長協奏曲でしょうか。
ぼくはテレビドラマ版を見ずに(存在すら知らないまま)映画版だけ見たのですが、あれもまた、導入部をテレビドラマで描いておいて、最大のクライマックスとなる本能寺の変を映画の長尺で見せるというものだったはずです。

毎週少しずつ話を積み重ねていくテレビ放送と、ある程度長い時間を使って大きな物語を描ける映画と、それぞれの特性を活かした手法であるように思えます。

少し前のテレビドラマでは最終回2時間スペシャルみたいなことをやっていたような覚えがありますが、あの手法の派生なのかもしれませんけれども。


内容

外側の話ばかりで映画自体の内容に触れていませんでしたが、とはいえ、取り立てて内容について書くべきことが思いつかなかったりもします。

基本的には原作マンガに忠実に映像化されていてすごいなー、という感想が大半を占めていますし、原作との差異を指摘できるほどの記憶力はありませんし。
ただ、いつの間にか「マンガの実写化」であることを忘れて、単純に対局の緊迫感に引き込まれていたようにも思います。
「マンガを実写しました」というだけにはとどまらず、1本の映画として純粋に魅力的な作品であったとも思います。
このあたりは原作マンガの魅力なのか、映画自体の魅力なのか、自分でも区別できていないところではあります。


余談

天江衣さんの中の人は小学生さんだそうで、役柄にはすごくぴったりハマっていたのですが、今後全国大会も実写化しようとするなら急がないと衣さんが成長してしまいそうで、実写映像のシリーズ化の難しさみたいなものを感じてみたりして。

オリジナル作品であればその役者さんの成長自体も作品に取り込むことができるのでしょうけれども、原作付きの作品では勝手にキャラクターを成長させるわけにもいかないでしょうし。