半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義 感想

半藤一利宮崎駿半藤一利宮崎駿の腰ぬけ愛国談義」、文春ジブリ文庫

先日ETVで放送された対談番組の完全版といった体。

ものものしい表題ではありますが、内容は「風立ちぬ」から夏目漱石やら隅田川やらといった、あっちからこっちへそっちへと気ままに話題が移りかわるお年寄りの雑談といった感じでありました。
声高に国を論ずることはなく、なんとなく憂いている程度、でしょうか。
腰ぬけです。

半藤さんが「トトロ」と「豚」しかご覧になっていないそうで、宮崎駿作品についての言及は少ないです。また、航空機や航空史については、一方的に宮崎さんが喋り倒している感じ。
どちらかというと、夏目漱石を中心に、昔の作家さんの話題に花を咲かせていました。
堀辰雄さんについては、実は思ったほど思い入れがあったわけではないようで、思い入れが無いぶんかえって好き勝手にできたのかなあ、なんて印象になりました。

さらには、半藤さん宮崎さんそれぞれのご家族への言及もありつつ、戦前世代の生き様を語り残そうとしているかのようでした。
とりあえず草枕を読みたくなりました。