少女椿 感想

映画「少女椿」を観ました。
7月30日、下北沢トリウッドにて。
原作は読んだ気もしますがうろ覚え。

身寄りをなくしてサーカス団の下働きをしている(らしい)女の子のお話。
下働きらしい下働きの描写はあまり無かったような気がします。

サーカス団に途中から助っ人として加入する奇術師の先生(風間俊介さん)が、もうひとりの主人公といえるかもしれません。

サーカスでは瓶の中に入るという芸を披露して人気を博しますが、それだけでなく、なんだかよくわからない超能力を有しているご様子。

何が起こっていたのか明瞭には見えませんでしたけれども、けっこうグロテスクな事態になっていたっぽいように見えたのですが、その後の感じだと命に別状はなかったのかしら。
あんな状態でよくまあ無事だったものです。

ヒロインにイヤがらせみたいな形で絡んでくる美少年くんが、なんだか悲哀をさそいます。
いろいろとツラい目にあってて心が痛みます。

お話自体はなんだかよくわからないような荒唐無稽っぽい雰囲気もあったりします。

どちらかというと、見るべきは美術面かもしれません。

まず目を引くのはヒロインの衣装。
鮮やかな黄色で一見派手に見えますが、それがいい具合に画面になじんでいたように思います。

サーカス団のテントや部屋の内装、小道具のような部分も、具体的に何がどうと指摘はできませんけれども、赤や紫といった暖色系でありながらもどことなくおどろおどろしいような禍々しいような奇妙な空間になっていて、そこに真黄色のヒロインの姿が映えていました。

遠くを走っていく蒸気機関車に向かってヒロインが手を振る場面が何回かありますが、あの場面の黄と緑と青のくっきりした色彩が妙に鮮明で、なんだか非現実的な感じにも見えました。