アーロと少年 感想

映画「アーロと少年」を観ました。
(3月13日観賞分、シネマサンシャイン沼津)
2D吹替版。

農業を営む恐竜の家族の末っ子・アーロさんと、その作物を荒らす謎の毛皮の無いサルみたいな生き物の少年(後にスポットと呼ばれる)のお話。

アーロさんはパパ、ママ、お兄さんお姉さんと仲良く暮らしていますが、少しばかりどんくさくて任された仕事がうまくできなかったり、そのせいで自信を失っている感じ。

そんなアーロさんがスポット少年との交流や、家から離れた大冒険を経て、成長していくお話、でしょうか。
わかりやすくて安心感のあるお話だったように思います。

とにかく映像がものすごいというか、たぶんあの水とか草木とか雲とかの世界こそが主役でした。
アーロさんとかスポット少年とかは添え物みたいなものなのではないかと思ってしまうくらい。

これまでも、よくできたCGに対して「まるで実写みたい」という誉め言葉を再三使ってきましたが、本作品もまた「まるで実写みたい」という賛辞がふさわしいように思います。

CG技術において、とくに実写に近付ける技術はここまで到達しているのだなあと、毎回新作をみる度に感じているような気がします。

あの高精度な映像に加えてストーリーまで複雑なものだと情報量が多すぎて脳みそが処理落ちしそうなので、ストーリーはあのくらいシンプルで良かったのかもしれません。

とはいえ、背景美術を写実に近付けるのが最適なのかどうか、という問題に関してスタジオジブリも通ってきた道で、そのひとつの到達点が『おもひでぽろぽろ』だったはずです。
それ以降は、背景美術を書き込みすぎないように、情報量を減らす手法に移行した、みたいなことを何かで読んだ記憶があります。

そういう意味では『ドラえもん新日本誕生』は好対照であるように見えるのかもしれません。