Fライフ03 感想
「Fライフ」03号、小学館
藤子・F・不二雄ミュージアムガイドも読み応えありますし、いつかは行きたいと頭の片隅では思っているのですけれども、
(そういえば金魚屋古書店のFミュージアム巻の感想をまだ書いてなかった)、
なんといっても、主眼は「藤子・F・不二雄トリビュート文化祭!!」でありましょう。
今をきらめく豪華作家陣による、敬意と感謝の作品群です。
よいものです。
とはいえ、実際にその作家さんの作品を読んだことがあるのは、少ないのですが。
そんな既読作家さんのひとり、石黒正数さんは、「それでも町は廻っている」に代表されるように、どこか『少し・不思議』の影響下な方とお見受けします。
その題材は「音速の箱」。
以下、致命的なネタバレをしますので、ご留意願います。
元ネタは、マンガ表現として批評的とか自己言及的とか言うこともできそうな、マンガならではの発想の道具で、
この前読んだ「テヅカ・イズ・デッド」で言及されていた「マンガのおばけ」の亜種とも言えるでしょうか。
マンガ表現の特徴でもある、「発話した言葉が文字として描かれる」ことを応用して、その「言葉/文字」に実体を与えてしまう、とてもマンガ的な手法だと思います。
その元ネタに対して、石黒正数さんは、その実体化した物体は、材質はどんなものなのか、重さや硬さは、触感はどうなのか、とアプローチします。
ちょうど、「テヅカ・イズ・デッド」において、「ウサギのおばけ」として描かれていた登場人物は、マンガの絵としては人間と区別がつかないけれども、実際は皮膚表面が毛皮で覆われていたりするはずで明確に人間と異なるはずだ、みたいな思索と近いようなお話ではないかしら。
なんてことを考えてしまいました。
あと、まったく素人みたいで恥ずかしいのですが、魔美さんってフツーに空中浮遊できたのですね。
ついつい、仁丹でテレポーテーションするイメージが先行していました。
原作が手元に無くてすぐに参照できないのは歯がゆいものです。
その他の作家さんでも、パラレル同窓会だったり、ヒョンヒョロだったり、イヤなイヤなイヤな奴だったり。
ドラえもんさんだったりキテレツさんだったりポコニャンさんだったり。
それぞれいろいろ、堪能させていただきました。