山本二三展
静岡市美術館「山本二三展」を見ました。
未来少年コナンから始まり、名探偵ホームズ、じゃりン子チエを経て、天空の城ラピュタ、火垂るの墓、もののけ姫とジブリ作品を支えて、時をかける少女へ至るまで。
宇宙ショーへようこそやミヨリの森などなど。
日本のアニメーションの背景美術の極致みたいな感じです。
ただ写実的なだけではなく様々な意図が込められている、らしいのですが、正直なところ音声ガイドの田中真弓さんの解説がなかったらあんまりわかっていなかったと思います。
あと、静岡市美術館による「子ども向けガイド」の冊子がありまして、ここに注目!、と要点をおさえてもらえるので、これは子どもさんに限らず、大人も手にとっておくべきかと。
二三雲という専門用語すら知らなかったにわかですが、あの青空と雲の描写ってすごいのだなあ、と感嘆したりしつつも、
CGが更に発達したら雲も手描きの静止画から、もっと動的なものになっていくのかしら、などと想像してしまったり。
今のところは背景美術とCGは良好な関係のようですが、どうなっていくことですかしらねえ。
展示の最後に宮崎駿監督と高畑勲監督からの寄文もありまして、実際には画集への寄文のようですが、高畑勲監督が「リアル」と「リアリティー」について述べられていて、あれ?、これどこか別のところでも読んだ気がしたと思ったら、やはり俺の青春ラブコメは間違っている。6.5巻における作者の相模南さん評でした。
そんなこんなで、大してわかりもしないのに「ふんふむなるほど」と納得面できたりするだけでも眼福でありました。
お子様連れもけっこういらっしゃいましたが、お子様方は退屈してたっぽくて、まあしかたないですね。
律儀に行列をつくってたお父さまお母さまもいらっしゃったのに、後ろから飛ばし飛ばしに追い抜いてしまうのは少し申し訳ない気もしましたが、美術館では余程のことがなければ順番通りに見ていく必要はないとも思うのでした。
割り込むわけではなくて、一列後ろから見ることになるので、筆致とかが気になるような近くで見たい人にはおすすめしませんが。
なお、JR東海ではアート&トレインキャンペーンというのをやっていて、JR窓口などに置いてあるリーフレットを美術館に持って行くと特典がもらえる上に入場料が割引になるので、前売り券を買っていなくても安心です。
他にもいくつかの美術館と連動しているようですが、今回の山本二三展では、二三雲の缶バッジがもらえました。
シシ神様の森のしおりの2枚目は品切れなご様子なので要注意。
物販コーナーはほぼアニメ専門店の様相。
古いアニメージュ誌やニュータイプ誌も置いてあって、近藤喜文監督の追悼記事という悲しい話題もありましたが、ジブリ特集よりもむしろ、ウテナの幾原監督×逮捕しちゃうぞの藤島康介さんの対談とか、ナデシコのゲキガンガー特集やらプリンスオブダークネス特集やらのほうが気になったりして。
いちばんは THE END OF EVANGELION 公開直後のレポートやら雑誌読者による感想やらの特集号でした。
新劇場版よりも盛り上がってたんじゃないかってくらいの熱狂ぶりが蘇ってくるかのようでした。
……、あれ?、何を見に行ったんだったかしら……。