リカーシブル 感想

米澤穂信「リカーシブル」、新潮社

リカーシブ(形容詞)再帰的な。自分自身に戻って来るような。プログラミング言語においては、処理中に自らを呼び出すような処理をいう。
だそうです。

中学1年生のハルカさんと小学3年生のサトルくんの姉弟が、新しく引っ越してきた町で事件に巻き込まれるお話です。
語り部が中学生ということで、スクールカーストに気を遣う繊細な立ち振る舞いがなんだか息苦しいです。
自分が中学生のときは、もっと脳天気だったので、そんな複雑なことは考えていなかったように思います。

事件の鍵は、町に伝わる「タマナヒメ」の伝説です。
もっと閉鎖的な山村が舞台であればよくあるお話かもしれませんが、
それなりにひらけた、それでいてさびれた、そこそこの町が舞台というところがおもしろいです。
なかなか無茶な展開です。
中学生視点というのが効果的なのかもしれません。

ともあれ、事件は解決しても、問題は山積みです。
生きていくってたいへんです。

リカーシブル

リカーシブル

リカーシブル (新潮文庫)

リカーシブル (新潮文庫)

リカーシブル(新潮文庫)

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