東の海神 西の滄海 感想

小野不由美「東の海神 西の滄海 十二国記」(講談社文庫)

エン王とエンキさんのお話。

と同時に、エン王に反旗を翻した州侯と、妖魔に育てられた青年のお話。

いくら周囲から慕われている頭主でも、歪まずにはいられない、というところでしょうか。

飄々としたエン王との対比が皮肉です。

エン王、能力高過ぎに思えます。

そのくらいでないと、王様なんて務まらないってことでしょうか。



それにしても、女性成分が希薄なお話でした。

数少ない女性は亡くなってしまう役柄というのは悲しいものです。

読者層としては、やはりエン王エンキ主従が主食なのかしら。

エンキくんの囚われのお姫様っぷりもお見事でした。

エンキくんと更夜くんの関係なんかも切なくていい感じですかしら。

エン王に振り回される高官さんたちもなかなか美味しいところではあります。

優秀な部下があってこそのエン王でありましょう。

エンキくんは蓬莱ではどんな過ごし方をしているのかも気になります。

そして「魔性の子」で触れられたエン王の帰還についても、詳しいところを知りたいものです。