クドリャフカの順番

米澤穂信クドリャフカの順番 Welcome to KANYA FESTA!」(角川文庫)を読みました♪

氷菓」、「愚者のエンドロール」に続く、古典部シリーズ三作目です。

前二作に渡って準備されてきた、神山高校の文化祭、通称「カンヤ祭」が、いよいよ開催されます。

あとがきで作者の人が書いている通り、
『本書の主役は、とりもなおさず文化祭そのものです。』
なのです。

主役たる文化祭を
♥️こと千反田えるさん、
♣️こと福部里志くん、
♠️こと折木奉太郎くん、
♦️こと伊原摩耶花さん、
という四人の古典部員の視点で、臨場感たっぷりに楽しむことができます。


古典部の四人は、作成した文集「氷菓」の過剰在庫に頭を悩ませていました。

一方、学内では、不可解な連続盗難事件(「十文字」事件)が発生していました。

物語は、これらの問題と事件を軸に、
神山高校が誇る多彩な文科系部活の多様な活動を通して繰り広げられる、
愛と勇気と好奇心と、謎と因縁とほろ苦さの曼荼羅模様を紡ぎ上げます。



以下、ネタバレ注意



さて、折木奉太郎くんは、
お姉さまの超越的な支援効果やら、千反田家伝統のお祈り効果やらといった、幸運補正にも助けられて、
持論の省エネ主義そのままに、地学講義室からほとんど外に出ることもなく、大活躍を果たします。

また、千反田えるさんは、持ち前の好奇心と行動力と人脈を武器に、外交・交渉・宣伝と営業活動に熱心に取り組みます。


が、「クドリャフカ」の名前を冠する本書において重きを置かれているのは、
福部里志くんや、伊原摩耶花さんであるように感じます。

怪盗「十文字」や、漫画研究会の河内先輩も含まれるでしょうか。


日本語の『期待』という単語の、奥深さ、ですね。
『微妙な男心』です。

衛星軌道上の孤独な暗闇から、青く輝く地球へと、いつか帰還できる日を夢見るような…


あ、おマミに対する高畑さんも、そんな位置付けだったかしら…?

初日と三日目はわかんないのですが、格ゲー方面は関係ないですよね?



余談ですが、スプートニクのわんこについて、
以前、「さよなら妖精」の時にも、某「リトルバスターズ!」はチラッと触れたので、
ここでは、新居昭乃さんの「スプートニク」(アルバム「降るプラチナ」収録)を…と思ったのですが、
こちらは別離の歌でした…

本編とはかけ離れ過ぎてますね