少女革命ウテナ展と新海誠展

11月18日、池袋東武百貨店催事場「少女革命ウテナ展」と、国立新美術館新海誠展」へ行ってきました。


少女革命ウテナ TVアニメ放送20周年記念展 〜薔薇と革命の記憶、絶対運命黙示録

ウテナ様。
テレビ放送からもう20周年になるそうですが、今なお、ぼくの心の中の大きな部分を占めている作品のひとつです。
単純に手放しに大好きと言うにはもう少し複雑な気持ちもありますし、一部の話数のことを思い出すと未だに苦しい気持ちに苛まれることもありますが、それでも、というよりもだからこそというべきか、ぼくにとって特別な作品であることは間違いありません。

今回の展示は内装にも様々な工夫があって、「少女革命ウテナ」という作品の雰囲気を大切にしようという心意気が感じられる展示だったように思います。
会場の中にいるだけでとても幸せな気持ちになることができました。



セル画。
あの頃はまだセル画だったんですよね。

ウテナ様とアンシー、生徒会、黒薔薇会、暁生さん、くらいのグループに分かれていたでしょうか。
生徒会のところでは添付写真のような感じ(撮影可のところ)でしたし、黒薔薇会のゾーンでは例の指矢印が並んでいたり、懺悔室か刑務所の面会室かというようになっていて壁には蛹から蝶に孵化するかのように画像が切り替わる額縁が飾られていたり、暁生カーごっこ(赤い車のボンネットに乗って服をはだけるやつ。ハイロー達磨一家の日向さんでもおなじみ)ができるようになっていたりと、かなり凝った内装になっていました。
また、内壁の3面がスクリーンのようになっている部屋があって、3面それぞれに映像が映写されているのですが、決闘場の映像なもので、決闘場の中に立っているかのような気持ちになれたりもしました。

これだけ凝った作りで、開催期間がわずか1週間足らず(11月16日〜11月20日)というのはなんだかもったいないように思えてしまいます。
別の地方にも巡回したりするのかしら。

漫画版の展示もありました。
恥ずかしながら漫画版は未読なのですが、雑誌連載時のカラーページなども展示されていました。

あとキャラクターのデザインが決定に至るまでの、ウテナ様がピンク髪ではなく金髪っぽい色違いだったり、冬芽先輩がロン毛ではなく爽やか系だったり、西園寺先輩が短髪メガネだったり、いろんな別の可能性世界が見えた気がします。

出口近くに、川上とも子さんのお母様のコメントが掲示してありまして。涙無しには読めませんでした。


新海誠展 「ほしのこえ」から「君の名は。」まで

表題の通りに、「ほしのこえ」から「君の名は。」までの各作品はもちろん、CMやみんなのうたといったお仕事の展示もあったり、minoriのお仕事も表記されていたり。

何より神木くんの音声ガイドが、ほんとに好きなんだろうなあと感じるような、いかにも楽しそうな解説で、聞くことができてよかったです。

絵コンテや原画ももちろんですが、実際に動いている場面を動画で見られるようになっているのがいいなあと思いました。
やはりアニメーションは動いてこそ。
君の名は。」の巫女さんの舞いの参考にしたらしい実写の動画もあったのですが、けっこう人が集まっててあまり近寄って見ることができませんでした。(後で戻ってこようと思ってて忘れてた)

といいつつ、原画に書かれた手書きのコメントで「L/O最高です」とか「もう少しこんな感じで」とか「あまり予算かけられないけどよろしくお願いします」とかみたいなのが書かれているのも楽しかったり。

あとデジタルで作っているという部分がけっこう強調されていて、ほしのこえ製作時に使っていたPC環境(なぜか当時の携帯電話も)とかも展示されていました。

レイヤーがたくさん重ねられていることをわかりやすくするように、アクリル板で感覚をあけてレイヤー毎の絵が描かれていて、それらを重ねて見ることができるようになっている展示も。

雲のむこう、約束の場所」の飛行機とか、「言の葉の庭」の靴とかも。

そういえば「君の名は。」で奥寺先輩とデートしてたのがこの国立新美術館だったらしいですね。あまり意識してなかったせいか、記憶にありませんでした。あのとき展示されていた写真の内容に気を取られてしまってたからかしら。


こういう美術展だと、今回のウテナ展でも新海誠展でも同様でしたが、きちんと行列をつくって順番を守って見ようとする方々が中にはいらっしゃるようです。
一定の時間で順々に進んでくれるのであればそれでもいいのでしょうけど、どうしても特定の人気展示のところで立ち止まって滞在時間が長くなる傾向があるようで、そうなると後ろに並んでいる人たちも動けなくなってしまいます。

展示を見ながらああだこうだと話が盛り上がってるのを後ろでぼんやり突っ立って待っていられるだけの気持ちの余裕はありませんでした。

そんなわけで、このところ辛抱する気持ちが弱くなってしまったのか、何も見られないところで順番待ちするのが苦痛で、渋滞しているところは先に通らせてもらって空いてるところの展示だけ見られればいいやみたいな気持ちです。
人を見に来てるのではなく、展示を見たいので。(わがまま)