アーティスト 感想
映画「アーティスト」を観ました。
サイレント映画の大スターが、トーキー映画の登場で落ちぶれていくお話。
と同時に、彼に見出だされた新人女優さんが、トーキー映画の隆盛に乗ってのし上がっていくお話。
白黒の画面にBGMだけ、台詞は要所だけ文字で表示されるという、古きサイレント映画の様式で作られた本作。
劇場の窓口でも、台詞が無いのは仕様です(要約)、と注意書きがある始末。
知りもしない時代、かと思えば、ついせんだってテレビ放送された「紅の豚」でも、劇中で白黒のサイレントアニメーションが挿入されていたのでした。
「ヒューゴの不思議な発明」もそんな時代をうまく利用したお話でしたし。
そんな、「古き良き懐かしき時代」の変化の様子が、まざまざと描かれています。
劇中の時間でわずかに数年程度の経過ですが、ものすごい変わりようです。
大スターの没落と、新ヒロインの隆盛とが、そのまんまサイレント映画の終焉とトーキー映画の新興を表しているかのようです。
ただのサイレント映画では終わらない仕掛けもよくできていますし、ハッピーエンドなのも嬉しいです。
評判のお犬様の演技も素敵です