白井弓子「WOMBS」1巻、IKKI COMIX

設定を説明しにくいので、裏表紙からまるまる引用。
『歪な月が空に浮かぶ碧王星。第一次移民と第二次移民との間で戦争が続くなか、新兵のマナ・オーガは特別転送隊に配属される。妊娠している雌だけが“飛べる”現地生物ニーバス。その体組織を自らの子宮に移植し、転送能力を身につける女だけの特殊部隊――
何も知らぬまま、マナは運命の荒波に飲み込まれていく。』
引用ここまで。

なんとも想像を絶するほどに壮絶で苛酷な設定です。

異星に移民したものの、そこへ別の種族も移民してきて、戦争になっています。

その中で、女性の子宮に、現地生物「ニーバス」の器官を移植することで、転送能力を身につけることができ、それを軍事利用する制度が確立しています。

転送能力も決して安全なものではなく、かなりの危険を伴うようですし、また、開発当初には様々な悲惨な出来事もあったようです。

本作は、あくまでも、新兵であるマナ・オーガさんを中心に描こうとされていますが、
むしろ、ほとんど、教官であり、また最前線でも活躍する現役転送兵でもある、アルメア軍曹こそが、現段階では、主役に見えます。

鬼気迫る覚悟と、部下思いの厳しさを兼ね備えていて、
ある種、コミック版風の谷のナウシカクシャナ殿下のようでもあります。

女性たちが、軍人として逞しく鍛えあげられていく一方で、
軍の上層部は結局男性ばかりであり、
劣勢な軍隊の歪んだ思想を見るようで、気味が悪いです。

うーん、このお話は、どこへ向かっていくのかしら……。